研究課題/領域番号 |
22K07936
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岩井 正憲 熊本大学, 病院, 講師 (80467993)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 絨毛膜羊膜炎 / 臍帯炎 / 新生児血液炎症マーカー / C反応性蛋白 / プロカルシトニン / 胎児炎症反応症候群 / 新生児早期細菌感染症 / 予測スコア / 新生児血炎症マーカー / 早産児 / 血液炎症マーカー / 母体情報 / 評価法 |
研究開始時の研究の概要 |
絨毛膜羊膜炎及び臍帯炎は、若い在胎週数ほど出生要因の多くを占め、胎児に胎児炎症反応症候群(FIRS)を引き起こす。出生した早産児は死亡率が高く、生存児でも気管支肺異形成症・脳白質障害・未熟児網膜症等の合併症発症率は高い。 FIRSやその合併所に対する治療研究が進んでいるが、出生早期にその重症度を診断する方法はない。 そこで、FIRSに関する母体情報、胎盤病理、臍帯血中ケモカイン・サイトカイン、新生児血中臨床炎症マーカーと、児の合併症、発達予後に対する前向き研究を行い、各々の関連性から母体情報、新生児血液炎症マーカーによるFIRSの早期診断法、重症度評価法を開発する。
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研究実績の概要 |
令和4年度には超早産児における組織学的絨毛膜羊膜炎及び臍帯炎の予測スコアについて、後方視的研究の結果をまとめ、Acta Paediatrica 2023; 112: 726-733で公開した。 出生時臍帯血中サイトカイン・ケモカインの評価、及びFIRSスコアの作成と新背指示合併症の評価については、対象を在胎32週未満から在胎37週未満の早産児及び正期産児に拡大し、検体及び臨床データを蓄積中である。 対象を早産児、正期産児に拡大したことから、FIRSのみならず、新生児早期細菌感染症(敗血症を含む)の早期評価や、主に早産児に行われる予防時抗菌薬投与の早期終了による使用削減について、今回の研究ーデータを一般臨床で用いられる血液炎症マーカーであるC反応性蛋白(CRP)及びプロカルシトニンを一緒に解析することで、より効果的な指標が作れないか検討を開始している。この一部であるプロカルシトニンと新生児呼吸障害の関連について、2023年4月の日本小児科学会学術集会で口演発表を行い、更に2023年12月に米国ワシントンで開催されたHot Topics in Neonatologyでポスター発表を行った。 また、派生研究として開始した早産児及び正期産児の新生児早期細菌感染症(敗血症を含む)に対する抗菌薬予防投与量の削減を目指した、血液炎症マーカーの役割解析を開始し、2023年11月の日本新生児成育医学会学術集会で発表した。これを基にさらに症例数を加え、より早期に抗菌薬を終了できるデータは得られたため、その内容を2024年10月の欧州小児科学会で発表すべく演題登録を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
第1段階であった「早産児血液炎症マーカーと母体情報の組み合わせによる胎児炎症反応症候群評価法」は2022年度にまとめ、2023年度にActa Paediatrica 2023; 112: 726-733で公開された。 臍帯血中サイトカイン・ケモカインの評価、及びFIRS予測スコアの作成と新生児合併症の評価については、継続して検体と臨床情報の蓄積中である。症例数が令和4年度に予定煤の1/4に留まったため、対象を37週未満の全早産児及び正期産児に拡大したが、超早産児についてはいまだ予定数の1/3程度にとどまっている。そのため中間検証としてのサイトカイン・ケモカインについては有意な結果がまだ得られていない。 一方派生研究とした早産児、正期産児の新生児早期細菌感染症(敗血症を含む)の早期評価や、主に早産児に行われる予防時抗菌薬投与の早期終了による使用削減については、検体数が予定の1/2程であり、C反応性蛋白及びプロカルシトニンについては、既に解析を始めており、本年度10月に開催されるヨーロッパ小児科学会で報告する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の引き続き研究参加者、検体、臨床情報の蓄積をすすめていく。超早産児については検体数の急速な増加は見込めないため、粘り強く検体採取と保存を進めていく。派生研究については検体数と臨床情報が集積しつつあり、中間解析発表を10月に行うとともに、さらに検体と臨床情報の集積を進めていく。
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