研究課題/領域番号 |
22K07942
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
徳原 大介 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60448751)
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研究分担者 |
趙 有季 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80779398)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 粘膜ワクチン / アジュバント / ノロウイルス / 分泌型IgA抗体 / ワクチン / 小児 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで乳幼児の自然免疫応答を効果的に賦活化するというコンセプトに基づいて開発された「乳幼児に適したワクチン」はなく、幼若動物の腸管粘膜免疫誘導における経鼻免疫の有効性についても全く情報がない。本研究は、申請者の臍帯血研究によって見出されたザイモサンのアジュバント機能を基盤に、ノロウイルスに対する防御免疫を効果的に乳幼児の腸管粘膜に付与できる経鼻粘膜ワクチンの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
乳幼児に効果的なノロウイルスワクチンの開発を目指した研究を実施した。まず、ザイモサンをアジュバントとして用いることによる粘膜面の防御免疫誘導の増強効果を検証した。ノロウイルスVLPをワクチン抗原としたワクチンを調整し、幼若(生後1週齢)・成熟(8週齢)BALB/cマウスに経鼻あるいは皮下免疫を行い、血中・便中のVLP特異的抗体価をELISA法を用いて測定した。その結果、皮下免疫群では、幼若・成熟両群においてザイモサンは血中のVLP特異的IgG抗体の誘導の増強がみられたが、便中のVLP特異的IgA抗体に関してはザイモサンの有無にかかわらず幼若・成熟両群において誘導されなかった。一方、経鼻免疫群では、幼若・成熟両群においてザイモサンは血中のVLP特異的IgG抗体の誘導を増強し、便中のVLP特異的IgA抗体に関してはVLP単独免疫でも両群において誘導されたが、ザイモサンをアジュバントとしてVLPに添加することによって幼若マウスでは顕著に便中のVLP特異的IgA抗体の誘導の増強がみられ、しかし成熟マウスではザイモサンによる便中のVLP特異的IgA抗体の誘導の増強はみられなかった。さらに、小腸粘膜固有層におけるVLP特異的抗体産生細胞数をELISPOTを用いて解析したところ、ザイモサンをアジュバントとして用いたVLP経鼻ワクチンは幼若マウスにおいてVLP特異的IgA抗体産生細胞数を増加させることがわかった。以上のことから、ザイモサンは幼若期の動物に対してワクチンアジュバントとして用いることによってワクチン抗原に対する特異的な粘膜免疫の誘導を効果的に増強しうることが明らかとなり、乳幼児に特化したワクチン開発の基盤技術として用いることができると考えられる。現在、VLP特異的抗体がノロウイルスを中和することを、ヒトiPS細胞由来小腸上皮細胞を用いて検証を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究で開発しているノロウイルスワクチンの有効性を検証する上で、本来ならノロウイルスの中和効果を解析することが望ましいと考えられたが、申請者の研究室ではノロウイルス培養技術がなかった。そのため、VLP特異的抗体とヒト血液型抗原との結合親和性を検証することを計画していたが、研究開始後、ノロウイルスをヒトiPS由来小腸上皮細胞を用いて培養する技術を有している研究者との共同研究が実現し、今年度は血中・便中VLP特異的IgA抗体を用いたノロウイルス中和試験を開始することができた。このことは当初の計画にはなかった、しかし望ましい研究内容であり、当初の計画以上に進展しているものと判断した
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今後の研究の推進方策 |
ノロウイルスをヒトiPS由来小腸上皮細胞を用いて培養する技術を基盤に、本研究で開発しているノロウイルスワクチンのウイルス中和効果を明らかにする。また、唾液中にもVLP特異的IgA抗体が誘導できているという予備結果も得ており、唾液を用いたウイルス中和効果についても検証する。それが実現すれば、ノロウイルスが進入する口腔内において唾液が感染防御に働くことを世界で初めて明らかにすることができ、経鼻ワクチンのさらなる有効性を強調することができる。
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