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TARP症候群のiPS細胞および動物モデルを用いた神経学的症状の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K07946
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

大石 公彦  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20287212)

研究分担者 岡野 ジェイムス洋尚  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90338020)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワードRbm10-KOマウス / 疾患iPS細胞 / 患者由来iPS細胞 / TARP症候群 / RBM10 / iPS細胞由来神経細胞 / 精神発達遅滞 / マウスモデル
研究開始時の研究の概要

TARP症候群は重篤な神経学的症状(知的障害・精神発達遅滞)と多発奇形を呈し、RNA結合タンパク質をコードするRBM10遺伝子の機能喪失変異により生じる早期致死性の遺伝性疾患である。本症候群は報告例が少ない希少疾患のため、RBM10異常と発症機序との関連性は未解明である。本研究は、TARP症候群を引き起こすミスセンス変異型iPS細胞、および機能喪失型iPS細胞を作成し、形態学的・生理学的・分子遺伝学的解析を用いた複合的な手法により神経学的症状の発症の分子機序を解明する。さらに、Rbm10-ノックアウトマウスの行動と脳発生過程の解析により、TARP症候群の脳精神機能と形態異常を検証する。

研究実績の概要

令和5年度は、Rbm10-KOマウスを用いて成体期(84日齢)の全脳のバルクトランスクリプトーム解析を実施し、Rbm10の下流遺伝子の発現量の変化と選択的スプライシングの検出を行った。結果、胎生期の間脳発生の初期マーカー遺伝子Hoxa2、Hoxd1の発現低下を検出し、本症候群と異常な脳発生との関連性が示唆された。さらに骨分化に関与する遺伝子発現の変化よりマウスの頭蓋骨CT検査を実施した結果、Rbm10-KOマウスでは頭蓋骨基底長と下顎骨面積の縮小が見られた。小頭・小顎はTARP症候群患者でもみられる症状であり、頭蓋顔面の奇形に関わる遺伝子群の候補を見出すことができている。さらにRbm10のミスセンス変異を持つ患者の血液細胞よりiPS細胞の樹立を完了し、次の神経細胞の分化実験の準備段階に進んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Rbm10-KOマウスを用いた実験では、成体期の脳組織を用いたトランスクリプトーム解析、組織学的観察、画像解析を実施できている。しかし飼育スペースの制限から実験に使用できるマウスの数が限られており、胎生期や出生直後のマウス脳の解析はやや遅れている。Rbm10のヘミ接合性、およびヘテロ接合性のミスセンス変異を含むiPS細胞株は樹立に成功しており、神経系細胞への分化誘導実験に使用する予定である。

今後の研究の推進方策

Rbm10-KOの胎生期および出生直後のマウス脳に対する組織学的解析とトランスクリプトーム解析を行い、小頭症や知的障害に関わる構造学的・遺伝学的要因を探る。Rbm10のミスセンス変異を含むiPS細胞はドパミン細胞等への分化誘導を実施し、その後細胞オルガネラやシナプス形成の評価、神経伝達効率・速度、シナプス間の相互作用などの表現型を分析し、疾患の病態生理を明らかにする。同時に分化した神経細胞に対してトランスクリプトーム解析を行い、マウスの発現結果と合わせて遺伝子発現量の変化とmRNAの異常なスプライシングパターンを検出し、Rbm10の機能低下と知的発達に関わる下流遺伝子の同定を目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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