研究課題/領域番号 |
22K07955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
浦岡 俊夫 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80448216)
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研究分担者 |
柚木 俊二 北海道大学, 産学・地域協働推進機構, 特任教授 (20399398)
佐藤 圭吾 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (40868626)
栗林 志行 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (60726173)
下田 将之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70383734)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 粘膜下局注 / 低侵襲治療 / 医療用デバイス / 内視鏡的切除 / 早期消化管癌 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、早期消化管癌では粘膜下層深部浸潤癌へのさらなる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の適応拡大が求められている。申請者らが開発した粘膜下層と一体化してゲル化するコラーゲン製局注材(IJC)は、粘膜下局注後の非減衰性膨隆および潰瘍での組織置換性が期待できる。本研究では、大動物にてIJC局注による安全・確実な一括切除を目的としたESDを確立し、粘膜下層深部を剥離した潰瘍が治癒する過程での残留IJCの作用を内視鏡および病理組織学的に調べる。コラーゲンゲルが損傷血管を保護し、線維芽細胞による潰瘍底治癒の足場として機能することを明らかにすることでIJCによる内視鏡治療技術のさらなる発展を目指す。
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研究実績の概要 |
前年度から開始した本研究の目的は以下である; ①生体ブタを用いた仮想癌病変に対するインジェクタブル・コラーゲン製局注材(IJC)の局注と内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を急性実験により実施し、筋層直上での粘膜下層剥離が可能であることを内視鏡的・病理組織学的に実証する、②潰瘍治癒の過程でのIJC、粘膜下層、および微小血管を病理組織学的に評価し、深部剥離された粘膜下層の再生機序および後出血予防効果の機序を明らかにする、③ESD後潰瘍モデルで追加IJCによる被覆・コラーゲン足場の治癒促進効果を明らかにする。目的を達成するために該当年度も当初の研究計画どおり実験を進めた。 研究体制は、計画当初の通りで以下である; 浦岡俊夫(研究代表者:研究統括、非臨床試験計画・実施)、柚木俊二(研究分担者、ex vivo実験・ 物性評価・試料の提供)、下田将之(研究分担者、病理組織学的評価)、佐藤圭吾(研究分担者、非臨床試験計画実施)、栗林志行(研究分担者、非臨床試験計画実施)。 計画書の記載通り、前年に作成したIJCを動物実験にて評価した。複数条件で設定したIJCが用意された。前年度と同様に、全身麻酔下の生体ブタの胃に仮想病変を複数設定し、ESDにて粘膜下層のほぼ全層を剥離する形で手技を完遂させた。術後1、7、14、28日に内視鏡的に評価し、最終日に安楽死後に胃を摘出した。コントロールとして生理食塩水局注群を置き、潰瘍の状態を内視鏡的に評価した。ESD実施における技術的評価も必要と考え、潰瘍の状態のみならず、手技時間や困難性をコントロールと比較して評価した。また、 経験度の異なる内視鏡医による相違も検討した。さらには、病理組織学的・免疫組織化学的評価も進め、潰瘍治癒の促進効果を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に開発したIJCが評価できるものであり、計画書に従い概ね進めることができた。 ESD実施における技術的評価も必要と考え、潰瘍の状態のみならず、手技時間や困難性をコントロールと比較して評価した点、および、経験度の異なる内視鏡医による相違も検討した点は、計画をより発展させた内容であった。一方で、胃と大腸での評価を行うことを計画していたが、大腸での評価は未実施となった。当初予期していないことは認めなかった。 以上から、概ね順調に進展していると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を大きく変更することはない。実験体制は確立しており、研究計画を遂行する上での課題は特に認めていない。また、研究資金は適切に使用していると考えている。
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