研究課題/領域番号 |
22K07968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 (2023) 国際医療福祉大学 (2022) |
研究代表者 |
熊野 恵城 武蔵野大学, 薬学部, 教授 (90396721)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 食道がん / クローン性増殖 / Notch / 前がん病変 |
研究開始時の研究の概要 |
がんにおいて高頻度に認められるドライバー変異は、すでにがん発症前から獲得されているが、遺伝子によっては、正常組織に認められるドライバー変異ががん組織で認められるよりも高頻度である。本研究では正常組織に認められるドライバー変異のうち最も高頻度に認められるにもかかわらず、がん組織ではその割合が減少しているという逆転現象を示すNotch1変異について、in vivoのマウスモデルを用いた系譜追跡法により変異細胞の挙動を観察することで、その逆転現象のメカニズムを明らかにすることを目的とする。それにより食道がんの早期診断、発症の予測、さらにはがんの予防につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
Notch1を含むNotch遺伝子変異について、in vivoのマウスモデルを用いた系譜追跡法による変異細胞の挙動の観察により、その逆転現象が起こる分子メカニズムを明らかにする予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響による半導体不測のため遺伝子改変マウスを飼育予定であった動物実験施設の空調設備の工事が延期となり当初の研究計画の変更が余儀なくされた。そのため今年度から動物実験施設が稼働している武蔵野大学へ異動し、遺伝子改変マウスを用いた当初の実験を開始した。報告されているNotch1の変異は機能欠失型の変異と考えられる。そこで腫瘍形成における幹細胞レベルでNotchが抑制された細胞の挙動を観察するためにBmi1-CreERT2マウスとRBP-Jf/fマウスを掛け合わせることにより、幹細胞レベルでNotchシグナル伝達分子であるRBP-Jを欠失させることでNotchシグナルを抑制する。clonalな増殖を示す前がん病変からの食道がんの発症過程でのNotch変異を持つクローンの挙動を、レポーターマウスとして ROSA26-EGFP/DsRedを用いた系譜追跡法により観察を行う。本年度は、これらのマウスを掛け合わせることで、Bmi1/EGFP/RBP-Jf/fマウスを作成を試みた。マウスの尻尾からDNAを抽出して、PCRによるgenotypingを行い、目的のマウスの選別を行った。現在4-ニトロキノリン-N-オキシド(4-NQO)100 μg/mlを16週間飲水投与した後、8週目以降に組織を採取する食道がんを誘導モデルを用いて検証中である。8週の時点での予備的な検討では、DsRedに変化したNotchが抑制されているクローンは食道がんへの関与が抑制されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究初年度に、新型コロナウィルス感染症の影響による半導体不測のため遺伝子改変マウスを飼育予定であった動物実験施設の空調設備の工事が延期となり当初の研究計画の変 更が余儀なくされた。そのため今年度から動物実験施設が稼働している武蔵野大学へ異動し、遺伝子改変マウスを用いた当初の実験を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度から動物実験施設が稼働している武蔵野大学へ異動し、遺伝子改変マウスを用いた当初の実験を開始した。必要なマウスのかけ合わせは着手しており、必要なマウスを樹立することができた。今後は食道がん発症までの時間短縮のため4-NQOの代わりに Diethyl Nitrosamine (DEN)による食道がん誘発モデルを用いて、食道がん発症までの時間を短縮させることを検討する。またNotchシグナルの減弱モデルとしてRBP-J floxアレルのヘテロの状態でも食道がんの発症に対する影響を検討する。
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