研究課題/領域番号 |
22K07973
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
中村 徹 久留米大学, 医学部, 准教授 (30341332)
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研究分担者 |
増田 篤高 久留米大学, 医学部, 助教 (40647872)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | NASH / CD34陽性細胞 / 肝硬変 / 細胞療法 / 肝再生 / 血管幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはこれまでに進行した肝硬変を対象とした末梢血CD34陽性細胞移植による肝再生治療に関する基礎・臨床研究を行い、治療効果を報告してきた。現在、C型非代償性肝硬変に対する肝再生療法について多施設共同非盲検無作為化試験を臨床研究として実施中であるが、次期検証的医師主導治験実施の際はNASH肝硬変患者も対象とする予定である。本研究の目的はNASH肝発癌モデルマウスに対しCD34陽性細胞移植を行い、RNA-Seq解析を用いて肝組織(非癌部・癌部)のプロファイルを明らかにし、線維化改善の機序解明とともに肝発癌への影響を調べ、より安全で効率的な治療法へと発展させるための基盤研究である。
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研究実績の概要 |
我々はこれまでにC型非代償性肝硬変を対象としたCD34陽性細胞移植による肝再生細胞療法に関する非臨床試験から臨床試験まで行い、治療効果を報告・検証してきた。今後は近年増加傾向にあるNASH肝硬変を対象とした非臨床試験が必要との考えに至り、研究を進めている。 本年度はin vivo実験を確立させるため、NASH肝硬変モデルマウス(STAMマウス)の作製に着手した。STAMマウスは生後2日目のマウスに低濃度 Streptozocin を皮下注射し、1型糖尿病を惹起させた。生後4週目より高脂肪食を給餌させ、生後12週までに肝硬変への進行(STAM-fibrosisモデル)、生後20週までに肝癌が発症する(STAM-HCCモデル)ことを現在確認中である。なお、CD34陽性細胞移植は効果判定する4週前に脾注し移植した。抗肝線維化作用については、アザン染色、免疫組織化学染色[αSMA]、リアルタイムPCR[Col1a1,Acta2,Timp1])で評価し、肝臓脂質蓄積量の評価についてはOil-Red染色を行い評価予定である。移植細胞として用いるCD34陽性細胞は、マウス骨髄単核球層より磁気細胞分離装置を用いてCD34陽性細胞を分離し、各種成長因子(VEGF, SCF, IL-6, Flt-3, TPO)を添加したStemSpan-SFEM培地(無血清培地)で7日間培養した。培養後の細胞はフローサイトメトリーにより内皮細胞への分化誘導を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vivoにおいてNASH肝硬変モデルマウス(STAM-fibrosisモデル)の作製に成功した。さらに、自然に肝癌が発症する肝発癌モデルマウス(STAM-HCCモデル)を現在作製中である。STAM-fibrosisモデルについては、サンプリングした肝組織の組織学的解析がおおむね順調に進めることができているため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、すでに作製済みのSTAM-fibrosisモデルマウスから採取した肝組織の解析をさらに進めていく。特に抗酸化作用について評価する。またSTAM-HCCモデルマウスは最大20週間の給餌にて肝癌病変を自然発症できると報告あることから、対照群における造腫瘍性の確認およびCD34陽性細胞移植による腫瘍形成への影響について検討する予定である。
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