研究課題/領域番号 |
22K07978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
長堀 正和 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 准教授 (60420254)
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研究分担者 |
永石 宇司 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (60447464)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 免疫学 / 細胞傷害性リンパ球 / 消化器病学 / 炎症性腸疾患 / 細胞傷害性 / 腸管免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでの一貫して腸管粘膜における免疫寛容の誘導機構に注目してきた研究結果から、本研究計画では細胞傷害活性を有するサブセットを応用した炎症性腸疾患(IBD)に対する新規治療法開発を遂行する。本研究は細胞傷害性リンパ球による病原性エフェクターT細胞の制御機構という独自の概念に着目しつつ、細胞傷害性リンパ球サブセットの機能解析法、培養・移植法、生体イメージングなど、我々が独自に樹立している技術を融合し、得られる成果から IBD新規治療法の開発基盤と技術基盤の樹立を目指した先駆的研究になることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究はこれまで申請者らが見出してきた「細胞傷害性リンパ球による病原性CD4エフェクターT細胞の分化調節機構」という独自の概念や知見を基盤として、こうしたリンパ球分画による細胞傷害活性を応用したIBDに対する新規治療法開発の可能性を追求する研究を展開している。その結果、本研究では当該研究期間に以下のような成果が得られた。 1)野生型C57BL/6マウス (WT)の脾臓をはじめとした二次リンパ組織あるいは腸管組織からILC-1、NKp46細胞、NKp44細胞、NKT細胞、gdT細胞、CD8T細胞などを単離し、分化・活性化マーカーや各受容体の発現によって各サブセットのプロファイルを構築することに成功した。2)つぎにこれらのサブセットをそれぞれ単離し、各々のサイトカイン産生能、細胞溶解能、細胞死誘導能を測定したところ、これら各細胞群間において相反する機能を保有している事実を確認することができた。3)さらに今後、サイトカイン産生、細胞溶解能、細胞死誘導能など詳細な細胞傷害活性の解析系樹立に不可欠なクローン化を目的として、単離した各サブセットをそれぞれ特異的な刺激方法を用いて培養し、このうち複数の系統の培養条件を見出すことに成功した。 これらの研究成果は、上記のリンパ球サブセットに関して生理的な条件下における免疫学的解析が可能であること、またこれらの細胞がT細胞にそれぞれ異なる影響を与える可能性があることを示唆する。さらに現在、これらの細胞を用いた生化学的解析や機能的解析にむけて、その条件検討を進めている。さらに、これらのリンパ球サブセットとT細胞との混合培養の条件検討やその後のFACS、サイトカイン測定、また免疫染色や生体イメージングなどの予備実験を現在行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IBDの病態には過剰に賦活化したCD4 effecter T細胞によって誘導される免疫異常が根幹にあり、腸管粘膜の免疫恒常性維持がeffecter T細胞に対する細胞傷害性リンパ球サブセットの機能によって制御されている可能性に着目しているが、今回我々はマウスから複数の細胞傷害性を持ったリンパ球分画をそれぞれ分取した上で新たな機能を見出し、さらにこれらの細胞の刺激・培養条件を樹立できたことは大きな成果であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は同定した各リンパ球サブセットによる異なる細胞傷害活性などの機能に着目し、これを詳細に解析するために、in vitroおよびex vivo実験系では51[Cr]を用いた細胞溶解試験、分子生物学的解析、そして網羅的解析による細胞傷害活性関連遺伝子群の抽出の準備、またin vivo実験系では遺伝子改変動物における疾患モデルの誘導とその臨床および病理学的解析、FACS解析、サイトカイン測定、また免疫組織染色や生体イメージングなどを行う予定である。
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