配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SPSにおける大腸癌合併率は41%(18/44)であり、男女比12:6、大腸癌診断時の年齢中央値 62(52-63)歳であった。腺腫の合併率は73%(32/44)で腺腫を有する症例では大腸癌の合併率が有意に高かった(大腸癌症例94%(17/18) vs 非大腸癌症例62%(16/26) p= 0.0157)。SPSの左側及び右側大腸癌は、左側/右側:10/6病変あり、内adenoma-carcinoma pathwayは9/2病変、serrated-carcinoma pathwayは1/4病変であった。左側及び右側結腸のHP、SSL、TSAと腺腫の個数はそれぞれ左側/右側:HP 558/84、SSL 41/163、TSA 7/3、腺腫 43/51であった。腺腫の存在部位は左側/右側 (D,S,R; 11,29,3)/ (Ce,A,T; 4,24,23)病変、肉眼型(Is,Isp,Ip,IIa)は左側/右側:(20,13,9,1)/(37,2,1,11)、腫瘍径中央値は左側/右側:6mm(2-23)/3mm(1-15)、組織型(tubular adenoma low grade, high grade(tubulovillous adenoma high gradeも含む))は左側/右側:(37,6)/(51,0)であった。Advanced adenomaは左側/右側:11/3病変であった。上記のように臨床データの集積は順調であったが、左側及び右側結腸のSP、腺腫、癌のオルガノイド(SP、腺腫は5例、癌は2例)並びに正常大腸粘膜(各々2例)よりオルガノイドの樹立数はまだ不十分であるため、やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
1.左側及び右側結腸のSP、腺腫、癌のオルガノイドライブラリーの作成 左側及び右側結腸のSP、腺腫、癌のオルガノイド並びに正常大腸粘膜よりさらに多数のオルガノイドを樹立する。生検または手術摘出標本より得られた癌組織より癌細胞を分離し、オルガノイド基礎培養液(AdDF)に懸濁してマトリゲルにて3次元的に固化後、各種増殖因子を含むAdDF (Noggin, R-spondin, EGF, Wnt conditioned media 等々)を添加して培養する。
2.各オルガノイドの細胞増殖速度、薬剤感受性、転移・浸潤能の検討 樹立したオルガノイドをsingle cellにした後、96穴プレートにて10%マトリゲルを含むAdDFで培養し、1-7日後にCellTiter-Gro assayを行い生細胞数を評価する。薬剤感受性は、種々の濃度の薬剤を加えて培養し、CellTiter-Gro assayによりIC50を算出する。アポトーシスは蛍光標識抗活性型caspase-3抗体を用いて検出する。浸潤能はInvasion assay kitを用いて解析する。
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