研究課題/領域番号 |
22K07992
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小林 拓 北里大学, 北里研究所病院, センター長 (10424144)
|
研究分担者 |
山本 陽一朗 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, チームリーダー (00573247)
前田 一郎 北里大学, 北里研究所病院, 部長(医師) (30350664)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 炎症性腸疾患 / 組織学的寛解 / 病理学 / 潰瘍性大腸炎 / 人工知能 / AI |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では人工知能(artificial intelligence, AI)に潰瘍性大腸炎の内視鏡生検サンプルの病理組織画像と予後に関する情報(1年以内の再燃の有無)を学習させることによって、“再燃しやすい組織像”をAIに認識させ、再燃を予測することを可能にする。さらに臨床情報を加えることによって予測精度を向上できるかどうかも検討する。
|
研究実績の概要 |
潰瘍性大腸炎において治療の選択は広がったものの、選択肢の増加を生かすための治療の個別化は十分に可能になったとは言い難い。特に治療有効性の予測能が十分ではないために実際の臨床には反映されていない。本研究では山本らの人工知能を用いた病理組織からの前立腺がんの再発予測の手法を応用し、人工知能(artificial intelligence, AI)に潰瘍性大腸炎の内視鏡生検サンプルの病理組織画像と予後に関する情報(1年以内の再燃の有無)を学習させることによって、“治療が有効な組織臓”や“再燃しやすい組織像”をAIに認識させ、予後を予測することを試みる。さらには臨床(内視鏡や病理診断)情報を加えることによってAIの再燃予測の精度さらに向上できるかどうかも検討する。最終的にはAIの臨床応用だけでなく、AIの見出した病理組織画像の特徴を言語化し、直接AIを使用せずに一般臨床に応用する試みと併せて、患者予後の改善を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の最終目標は人工知能(AI)を用いて潰瘍性大腸炎(UC)の治療効果や再燃を予測することで、UCの治療の個別化を実現していくことである。AIにより寛解期の粘膜の病理画像から再燃を予測可能かの検討を予定しているが、症例数が膨大であることから、先行してステロイド治療の有効性について、治療導入時の粘膜の病理画像から予測可能か検討することとした。ステロイド治療は中等症以上のUCの治療のゴールドスタンダードである。一方で易感染性や骨粗鬆症などの副作用を認めることやステロイド治療が無効である抵抗例も少なくない。AIを用いてステロイドの有効性が予測可能となれば、ステロイドに代わり第一選択として分子標的薬を導入するなどの治療の個別化を行い予後が改善される症例が増えることが期待できる。 現時点では当院で治療したステロイド有効例、抵抗例の計約50症例を抽出し理化学研究所にてAI学習、テストを行いAUC 0.78の精度で予測できるという中間結果を得ている。現在北里大学病院、昭和大学藤が丘病院、横浜市民病院との多施設共同研究に移行し病理組織抽出を完了し、機械学習を進めている。合わせて各患者の臨床情報を収集し、病理と合わせての学習を可能にするよう準備を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
北里大学病院と昭和大学藤が丘病院の病理組織の学習は近日中に終了する。そのうえで確立された有効性予測を横浜市民病院のデータを用いてvalidationする。さらにAIで予測された有効例、抵抗例の病理学的特徴について言語化を図っていく。また、寛解期の再燃予測についても同様に寛解期の病理検体の抽出を行いAI学習を行っていく予定である。
|