研究課題/領域番号 |
22K07993
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
川島 麗 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (70392389)
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研究分担者 |
河村 由紀 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 消化器病態生理研究室長 (10392391)
久保 誠 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (40464804)
伊藤 尚志 北里大学, 医学部, 講師 (90383629)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | RSウイルス / 腸内細菌 / 腸肺相関 |
研究開始時の研究の概要 |
現状ではRSウイルス感染症に対する有効なワクチンや治療法がない。肺炎などへの重症化移行率の高さを考えると、新たな視点での対策が求められている。RSウイルスは乳幼児に極めて感受性が高いことから、その食生活に関連があると想定した。RSウイルスが腸管から侵入する可能性を含め、腸管を主軸とする感染メカニズムに焦点を絞り、乳幼児の消化管微小環境の改革によるRSウイルス感染症罹患率の低下を目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度夏、乳幼児に肺炎を起こす「RSウイルス感染症」患者が前年の400倍超で急増した。RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus;RSV)は、小児において重症化リスクが極めて高いにもかかわらず、有効なワクチンや抗ウイルス薬がない。2歳児におけるRSV感染のし易さは格段であり、一方でなぜ3歳以降に感染率が急激に減少するのかという見方をすると、2歳とは幼児への移行期であり、離乳食卒業時期と一致する。すなわち、RSV感染抵抗性の獲得は、成人食への変化が最も大きな要因であると見ることはできないであろうか。そこで、RSV感染症は、乳汁中心の食生活がその要因となり、腸内細菌叢の不均衡が呼吸器官に影響を及ぼす腸肺相関(Gut-Lung Axis)が配下にある感染症であると想定した。本研究の最終着地点は、RSV感染・食性・腸管機能・腸内細菌・呼吸器の5要素の関連性を明らかにすることである。 昨年、カナダの研究グループが気管支上皮でRSV侵入受容体「IGF1R」を発見していることから、成マウス(10週令)および乳仔マウス(生後1週間)の肺組織と腸管組織におけるIGF1RmRNA発現を比較検証した。成マウスにおいて、肺よりも腸管の方が50倍低く、一方で、乳仔マウス腸管上皮では、大人のマウスより40倍近く高いことを見出しており、RSV感染成立に消化管が無関係でない可能性を指摘する。現在、免疫染色により局在同定を試みているが、本研究結果は少なくとも、来年度の進行指針となる、RSVの腸管からの侵入経路を検討する上で、有意義な結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳児動物モデルの扱いに関し、想定以上に順調であったため、その後の解析に十分を時間を充てられたことにより、データの精査の精度が向上した。
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今後の研究の推進方策 |
食性の違いがもたらす腸管機能の変化がRSV感染に関与するかを検討する。乳汁食成マウス・繊維含乳哺乳仔マウスRSV感染性の精査として、成マウスの乳汁飼育および繊維混合人工哺乳仔マウスにRSV感染させ、受容体発現、腸管・肺組織中のRSV感染性を解析する。食性変換マウス腸管の粘膜免疫トレンド(T/B, DC, MΦ,サイトカインetc.)をフローサイトメトリーにて検討する。
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