研究課題/領域番号 |
22K08018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
大脇 敏之 東京医科大学, 医学部, 客員准教授 (70453834)
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研究分担者 |
善本 隆之 東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯髄幹細胞 / 培養上清 / 炎症性腸疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患は、最近、グリア細胞株由来神経栄養因子の発現による腸バリアの機能増強など腸管神経系の関与が注目されている。間葉系幹細胞は、その免疫抑制作用などにより腸炎にも治療効果があるが、いずれも腸管上皮の機能的修復を伴った効果的な治療には至っていない。当研究室では、増殖能やサイトカイン分泌能の高い不死化したヒト乳歯由来の歯髄幹細胞株を作製し、予備的実験より、その培養上清のデキストラン硫酸ナトリウム誘導性腸炎マウスへの静注により治療効果を示すことを見出した。本研究では、その培養上清による腸炎マウスでの治療効果と、その作用機序として免疫抑制や腸管上皮機能回復と再生への関与を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、炎症性腸疾患のモデルマウスであるデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性腸炎マウスにおける不死化歯髄幹細胞培養上清(SHED-CM)の治療効果の作用機序について検討を行う予定であった。 ① ヒト腸管バリアの腸管上皮in vitroモデルとして、ヒト結腸癌由来細胞CaCo2の培養細胞をTNF-aで刺激し、SHED-CM の存在下および非存在下でデスモグレイン2(DSG2)の発現、経上皮電気抵抗の測定、透過した蛍光標識デキストランの蛍光強度を測定、上清中の分子の関与を複数の中和抗体を用いて検討する予定であった。CaCo2細胞をSHED-CMで刺激すると、DSG2発現が上昇する傾向が見られた。 ② 免疫抑制の作用機序としては、DSS水7日間と通常の水道水3日間飲水後、粘膜固有層リンパ球を取り出し、細胞分布や免疫抑制に関わる制御性T細胞(Treg)、IL-10産生制御性T細胞Tr1、骨髄由来抑制細胞、M1/M2マクロファージの比率についてFACS解析を行った。SHED-CM投与により、Foxp3+CD25+CD4+Tregや骨髄由来抑制細胞(MDSC)が増加する傾向が見られた。 以上の結果より、SHED-CMによる免疫抑制の誘導にTregとMDSCの関与と腸管粘膜の修復の可能性が示唆されたが、今後、それらの再現性とSHED-CM中のどの分子がそれらの誘導に関与しているかを示す必要がある。
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