研究課題/領域番号 |
22K08027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教 (30376363)
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研究分担者 |
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20208523)
文田 貴志 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60866995)
坂本 明美 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 准教授 (90359597)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腸管神経 / IL5 / 好酸球 / NMU / ILC2 / 腸炎 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国で増加傾向にある難治性腸疾患は多大なストレスと関連があり、腸管神経系-免疫系の相互作用とその破綻による疾患発症機序を統合的に解析することが病態解明において重要である。研究代表者はこれまで、腸管神経過多である遺伝子組換えマウスを用いて、誘導性腸炎モデルにおいて高感受性、腸管神経が腸上皮や腸内細菌叢に影響を与えること、それらの関係破綻は腸炎の病態に影響を及ぼすことを明らかとした。一方で、腸管において神経誘導性の好酸球増加を見出した。腸管に存在する好酸球は、その役割について不明な点が多い。研究代表者は、腸管神経系による好酸球の制御に焦点を絞り、その破綻による腸炎等の発症機序・病態解明を目指す。
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研究実績の概要 |
研究代表者ら独自の腸管神経過多であるNcx KOマウスを用いて、腸管神経に焦点を当て腸管好酸球分化の制御機構や生理的役割について分子レベルで明らかにし、炎症性腸疾患や好酸球性腸炎等の病態への関わりを解明する目的で以下の研究成果を得た。 (1)NcxKOマウス小腸における好酸球の誘導にサイトカインIL5が関与していると示唆されている。そこで、NcxKOマウスの小腸粘膜固有層細胞を抽出し各細胞のIL5発現について調べたところ、自然リンパ球ILC2細胞での高い発現を認めた。このことから、NcxKOマウス小腸ではILC2細胞からのIL5が好酸球を誘導することが示唆された。 (2)ILC2を活性化する遺伝子NMU、IL13、IL25発現について調べたところ、NcxKOマウス小腸ではNMUの高い発現を認めた。NMUは腸管寄生虫感染において腸管神経から産生されILC2を刺激するという報告がある。NcxKOマウス小腸組織においてNMUと腸管神経(Tuj1)の免疫染色を行なったところ、腸管筋層および粘膜固有層において、NMUとTuj1の共局在を認めた。 (3)NcxKOマウスの小腸におけるNMUの発現について経時的に調べたところ、生後4週以降に発現の上昇がみられた。NcxKOマウスではこれまでの研究成果から、生後2週以降からの腸管神経の増多より過剰に産生される一酸化窒素による腸管上皮組織障害の結果から、腸内細菌叢のバランス異常(dysbiosis)が起きているとされている。NMUの発現上昇はdysbiosisによるものであると示唆された。 以上の結果から、NcxKOマウス小腸では、何らかの感染や障害の結果、腸管神経が刺激されNMUを産生しILC2を活性化、ILC2はIL5を産生し好酸球を誘導するのではないかと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NcxKOマウスでみられた好酸球の誘導のメカニズムについて、概要が明らかにされつつありおおむね進捗しているといえる。また令和5年度に計画している⊿dblGATA/NcxKOマウスの解析用に、マウス系統の確立がほぼ完了している。
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今後の研究の推進方策 |
NcxKOマウス小腸での好酸球誘導メカニズムについて、in vitroにおいて腸管神経初代培養または神経芽細胞腫株C1300を用いて、細菌感染刺激などでのNMU、IL5の発現解析などを行ない、より明らかとする。また、NcxKOマウスで誘導される好酸球の生理学的意義について、⊿dblGATA/NcxKOマウスに小腸炎誘導モデル(インドメタシン経口投与)を作製し、感受性や各遺伝子発現、好酸球の動態などについて解析を行なう予定である。
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