研究課題/領域番号 |
22K08038
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山口 寛二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50381950)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 分子シャペロン / オルガノイド / バイオマーカー / 脂肪肝炎 / 肝がん |
研究開始時の研究の概要 |
Apg-2ノックアウトマウス、Apg-2(K68A変異)ノックインマウスから肝オルガノイドを樹立し、細胞レベルでのApg-2の肝脂肪化における役割を検討する。これまでの知見からlkb1のユビキチン化とAmpkシグナルの活性化について詳細な機能解析を行う。さらにin vivoモデルとして、肝オルガノイドの移植によりApg-2+/+とApg-2-/-のキメラ肝を作成し、脂肪肝炎モデルにおける表現型を検討する。
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研究実績の概要 |
分子シャペロンは細胞内蛋白の恒常性維持を担い細胞保護的作用を持つ反面、変性細胞の生存や癌細胞の抗アポトーシス作用から病態進展に寄与することが報告されている。我々の検討では、HSP110ファミリーに属するApg-2のノックアウトマウスにおいて、肝発がんと肝脂肪化抑制が確認された。Apg-2はユビキチン・プロテアソームシステムと共役し、Liver Kinase B1(Lkb1)の分解を促進させ、AMP-activated protein kinase(Ampk)シグナルを抑制し、脂肪肝、肝がんを促進する。この結果は、長期的かつ一連の、脂肪肝から肝発がん過程において、Apg-2が治療候補分子となり得ることを示している。しかし、この詳細な作用機序の解明に必要なin vitroの系として、単離したマウス肝細胞や肝がん細胞株では、代謝能低下や嫌気性解糖系に依存する癌細胞特有の代謝環境から不十分であった。この問題点を克服するために、本研究では、より生体に近い代謝環境を持つ肝オルガノイドと分化後の肝細胞を用いたApg-2分子の機能解析を発案した。即ち、Apg-2のwild type, ノックアウトマウス、Apg-2のシャペロン活性を担うATP結合部位,K68をアラニン(A)に変異させたノックインマウスの3系統より肝オルガノイドを作成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Apg-2 wild typeマウス、Apg-2ノックアウトマウス、Apg-2のシャペロン活性に必須のATP binding site変異(K68A変異)ノックインマウスから肝オルガノイドを樹立したが、Apg-2(K68A変異)ノックインマウスの表現型としての脂肪肝改善がみられないことから、Apg-2 wild typeとノックアウトマウスから樹立したオルガノイドを用いて、脂肪酸負荷の実験を行っている。また、Apg-2 wild typeマウスから作成した肝オルガノイドをノックアウトマウスに移植している。Apg-2のK68に結合するVHH抗体は作成したが、表現型が出なかったことから以降の実験は見合わせている。
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今後の研究の推進方策 |
EGFP-CAGマウスから樹立したオルガノイドの移植実験で得られた、オルガノイドの脾臓への投与量や投与3か月での生着パターンをもとに、Apg-2 wild typeのオルガノイドを順次Apg-2ノックアウトマウスの肝臓へ移植し、キメラ肝を作成し、高脂肪食を投与する予定である。
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