研究課題/領域番号 |
22K08039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 義人 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70244613)
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研究分担者 |
山口 寛二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50381950)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 分子シャペロン / 脂肪肝 / バイオマーカー / 非アルコール性脂肪肝炎 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、シャペロン分子Apg-2が食餌性の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)発症に必須の因子であることをマウスを用いて明らかにした。さらに、ヒトNAFLD肝組織においても免疫組織化学の手法でApg-2の発現を確認している。 本研究においては、1)肝内のApg-2の発現(mRNA量と免疫染色所見)と既存のNAFLD肝組織の評価法、生検肝組織の病理所見、臨床データ、non-invasive tests、MRE/MRI-PDFFによる肝線維化・脂肪化の病態評価とが関連するか否かを検討し、2)血清中のApg-2濃度測定による新たなNAFLDのスクリーニングや病態評価法を確立する。
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研究実績の概要 |
シャペロン分子Apg-2が食餌性の非アルコール性脂肪性肝疾患発症に必須の因子であることをマウスの実験系で明らかにした。また、マウスのみならずヒトNAFLD肝組織においてもApg-2の発現がみられたことより、肝内のApg-2の発現量と1)既存のNAFLD肝組織の評価法(生検肝組織の病理所見)、臨床データを用いた non-invasive test、MRIを用いた magnetic resonance elastography(MRE)/magnetic resonance imaging-proton density fat fraction (MRI-PDFF)による肝線維化・脂肪化の病態評価と肝内Apg-2発現量との間に関連性を見出すこと、および、2)血清中のApg-2濃度測定による新たなNAFLDのスクリーニングや病態評価法を確立することを考案した。
しかし、既存のヒトApg-2抗体ではELISAの感度が不良であることがこれまでの検討で明らかになっており、感度と特異度に優れたELISAの系を開発するために、Apg-2抗体としてVHH抗体を用いること、化学発光法を採用することで諸問題を克服する。最終的に、ヒト肝組織の病理学的所見、採血などの臨床データによる non-invasive test、MRE/MRI-PDFFなど画像診断による肝組織評価法と肝組織に発現するApg-2との間の関連性と、ヒト血清中のApg-2濃度測定による新たなNAFLDのスクリーニング法や病態評価法の開発のための測定系の樹立を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ELISAにApg-2の抗体が必要であるが、既存の抗体では高感度のELISA作成が困難であることから、ラクダ科のアルパカの抗体(VHH抗体)を用いた新しいELISAの系を開発している。まず、アルパカにApg-2抗原を免疫し、リンパ節と血清からリンパ球を採取し、ライブラリーを作成した。その後ファージデスプレイ法でVHH抗体を選別・作成し、高アフィニティの抗体を同定した。これらの抗体の中で最もELISAに感度、特異度が優れている抗体の最適化に時間を要しており、ELISA系の樹立に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
ヒトの臨床検体(肝組織及び血清)はすでに保存しており、ELISAの系の完成後に一斉に測定を行う予定である。
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