研究課題/領域番号 |
22K08041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
濱田 和幸 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50595444)
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研究分担者 |
角田 卓也 昭和大学, 医学部, 教授 (30275359)
吉村 清 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30346564)
和田 聡 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30420102)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | メチオニン代謝 / MTAP欠失 / がん微小環境 / MTAP / PRMT5 / メチル化 / 癌微小環境 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
メチルチオアデノシンホスホリラーゼ (MTAP)遺伝子の欠失は多くのがん種で観察されている。しかし、MTAP遺伝子の欠失の意義については不明な点も多く、とくに抗腫瘍免疫に対するMTAPの影響は明らかにされていない。MTAP欠失ががん微小環境における免疫細胞へ与える影響を明らかにすることは非常に重要な課題である。そこで本研究は、MTAP遺伝子欠失細胞株腫瘍株を用い、がん微小環境におけるMTAP欠失の抗腫瘍免疫への影響を解析する。
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研究実績の概要 |
メチオニン代謝において重要な働きをもつメチルチオアデノシンホスホリラーゼ (MTAP)遺伝子の欠失は多くのがん種で観察されている。しかし、MTAP遺伝子の 欠失の意義については不明な点も多く、とくに抗腫瘍免疫に対するMTAPの影響は明らかにされていない。本研究は、MTAP遺伝子欠失細胞株腫瘍株を用い、がん微 小環境におけるMTAP欠失の抗腫瘍免疫への影響を解析する。さらに、マウスにおいて、腫瘍におけるMTAP欠失が免疫チェックポイント阻害剤 (ICIs)の効果予測 因子候補となるか明らかにすることを目的にしている。 これまでCRISPR-Cas9を用いマウス大腸がん細胞株のMTAP遺伝子をノックアウトしたクローン細胞を樹立した。MTAP欠失によるメチル化への影響を検討をおこなった。 MTAPをノックアウトしたマウス大腸がん細胞株はアルギニンのメチル化酵素Protein Arginine Methyltransferases 5 (PRMT5)の活性低下を起こしていることを ウェスタンブロッティング (WB)で確認した。 今年度以降の研究では、がん細胞がメチオニンを多く消費するため、がん局所が低メチオニン状態にあることに注目した。この現象に基づき、低メチオニン環境下でMTAP欠失がん細胞ががんの増殖や腫瘍免疫に関わるタンパク質の発現にどのような影響を与えるかを調べる。まずMTAP欠失がん細胞株を用いて研究する。最終的には、MTAPノックアウトマウス大腸がん細胞株をマウスに移植し、腫瘍片を用いてがん微小環境内の免疫細胞の動態を解析する。これにより、MTAP欠失がん細胞ががん微小環境における抗腫瘍免疫の関与を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
In vitroで低メチオニン環境を再現するために、メチオニン濃度を下げた培養メディウムを使用した。MTAP欠失がん細胞は、メチオニン濃度の低下に伴い、生存細胞数が減少することを確認した。低メチオニン環境では、細胞表面のProgrammed cell death ligand-1 (PD-L1)の発現が増加することがフローサイトメトリーで確認された。この機序を解明するために、メチオニン代謝のどの部分がPD-L1発現に関与しているかを調べる必要がある。メチオニン代謝の下流におけるシスチン制限でもPD-L1発現が上昇することが確認された。これは、メチオニンサイクルの低下によるPD-L1発現修飾の可能性と、下流のシスチン代謝の影響の両方が考えられることを示唆している。次年度は、低メチオニンがPD-L1発現に影響を与える部位をより詳細に解明することを目指す。
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今後の研究の推進方策 |
メチオニン代謝経路のどのステップがPD-L1発現に重要な役割を果たしているか(誘導の起点となっているか)を詳細に調べる予定です。これを解明することは新規の治療戦略のターゲットになる可能性があります。また、他の免疫に関与するタンパク質の発現についても検討します。これらの発現が、実際にリンパ球をはじめとする免疫細胞の存在下でどのように影響し、結果として抗腫瘍効果を発揮するのか、あるいは腫瘍を促進するのかをマウスモデルを用いて検討します。
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