研究実績の概要 |
当教室で保有する24株(菌株の通し番号を#2~#25とする)の有益菌を至適条件で培養したのちに,培養上清を回収した.回収した培養上清を希釈してOE19,OE33,KYSE30,KYSE70,Het-1Aに添加して,細胞増殖能の変化についてSRB assayで検討した.また,同様に培養上清を希釈したのちOE19,OE33,KYSE30,KYSE70に添加してSOX2,TP63,CDX2,MUC2,SOX9,KRT8,KRT18,CDH1,TGFB1のmRNAの発現をreal-time PCRで評価(Het-1Aは除く)した.SRB assayの結果は#2の添加によりOE33は90%以上,OE19は80%以上,KYSE70は約70%,KYSE30は約60%の増殖抑制効果を認めたが,正常食道扁平上皮株であるHet-1Aでは約30%の増殖抑制効果にとどまった.その他の培養上清でも,増殖抑制効果を認めるものを複数認めたが,最大でも約30%程度であり,増殖抑制効果については上清#2が最も高かった.real-time PCRによる上記mRNA発現の検討ではSRB assayと同様に希釈した培養上清を添加して,コントロールと比較して10倍または1/10以上変化があった上清は,#2,6,8,12,16,17,19,20,23,25であった.同様にOE19では,#2,4-7,14,22,23,24,25,KYSE30では,#2,17,20,23,25,KYSE70では,#2,5,14,20,24,25であった.
|