研究課題/領域番号 |
22K08049
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小笠原 定久 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20749155)
|
研究分担者 |
冨樫 庸介 千葉県がんセンター(研究所), がん治療開発グループ 細胞治療開発研究部, 客員研究員 (80758326)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 肝細胞癌 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 免疫療法 / 慢性肝炎 / 肝硬変 / CD8+T細胞 / 腫瘍抗原認識 / 腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞癌は、種々の原因による慢性炎症を有する肝臓に発癌する。慢性炎症に伴いCD8+T細胞が肝臓内に浸潤・蓄積するが、その役割は背景肝疾患により異なると考えられている。免疫療法の有効性を高めるためにはCD8+T細胞が腫瘍抗原を認識し活性化することが重要であるが、肝細胞癌の背景肝に存在するCD8+T細胞が腫瘍局所のCD8+T細胞と同様に腫瘍抗原を認識しているか否についてはいまだ明らかではない。本申請研究において肝細胞癌における腫瘍局所および背景肝のCD8+T細胞を「腫瘍抗原の認識」に着目し、抗腫瘍免疫応答における機能解明を目的に臨床検体の解析やマウスモデルでの検証を行う。
|
研究実績の概要 |
肝細胞癌の発癌母地となる慢性炎症を有す肝臓(慢性肝炎または肝硬変)にはCD8+T細胞が蓄積・浸潤していることが知られている。一方、肝細胞癌のみならず全ての悪性腫瘍において免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を高めるためには腫瘍に浸潤する「腫瘍を認識した」CD8+T細胞が大きな役割を果たしている。肝細胞癌において背景肝に蓄積するCD8+T細胞と腫瘍に浸潤するCD8+T細胞の機能を個々に解析するために、我々は肝細胞癌対して免疫チェックポイント阻害剤を投与する症例の治療開始直前の臨床サンプルを、同一症例において①腫瘍局所、および腫瘍から離れた②背景肝の2ヶ所から生検を行い、ペアサンプルの蓄積、解析を行なった。本研究では臨床サンプルを用いて(A)肝細胞癌の腫瘍局および背景肝における免疫微小環境の評価、(B)肝細胞癌の腫瘍局所および背景肝のCD8+T細胞の抗原認識の相違性の探索、(C)項目A、Bで得られた解析結果と免疫チェックポイント阻害剤との奏効の関連性の検討を実施し、加えて(D)マウスモデルを用いたCD8+T細胞の抗原認識の相違性の検証を計画している。 本年度は、項目(A)では病理学的所見の検討、およびフレッシュサンプルを用いたフローサイトメトリー(FCM)を用いた免疫細胞の1細胞レベルの解析を行なった。項目(B)においてはTCRレパトア解析の準備を行なった。また、項目(C)の解析に向けてさらなる臨床データの蓄積を行なっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的を遂行するために計画した項目について、2021年度に予定した項目Aおよび項目Bの解析を行うことができたことから「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、肝細胞癌における腫瘍局所および背景肝のCD8+T細胞の抗腫瘍免疫における機能解析を明らかにする目的で研究を継続する。おおむね計画通りに研究が進展していると判断しており、現行の計画で研究を行う。次年度は、項目A、およびBで解析を行う臨床サンプルの集積はおおむね完了しており解析を継続する。項目Bにおいては、代表例の臨床サンプルを用いたシングルセルシークエンスを用いてTCRと遺伝子発現を同時に行い共通クローンの機能解析を計画している。また、項目Cを解析するためのさらなる臨床データの集積を行うことを検討している。項目AからCで得られた知見をもとに項目Dの検討を予定している。
|