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T細胞受容体遺伝子と免疫チェックポイント阻害薬による肝がん新規治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08052
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関金沢大学

研究代表者

中河 秀俊  金沢大学, 医学系, 助教 (90743469)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード肝細胞癌 / 養子免疫療法 / TCR-T / TERT / アルファフェトプロテイン / 免疫療法 / がん免疫 / AFP / MRP3 / TCR遺伝子治療
研究開始時の研究の概要

本研究では、肝がん標準薬物療法(アテゾリズマブ・ベバシズマブ)と肝がん腫瘍関連抗原特異的T細胞受容体遺伝子導入T細胞輸注療法(TCR-T療法)の併用療法の可能性を検討する取り組みである。まずはマウスモデルにおいてTCR-T療法を樹立する。高い相乗効果を狙うためアテゾリズマブ・ベバシズマブの治療効果に影響ある遺伝子と、効果的な抗原特異的T細胞に寄与する遺伝子を抽出し、TCR-T作製時に併せて遺伝子改変を加えることでより効果的な治療法の可能性を検討する。

研究実績の概要

<マウスTCR-Tモデルの確立>TCR遺伝子発現システムは、これまで使用してきたレトロウイルスシステムpMXs-TCRb-P2A-TCRa-IRES-GFPを用いた。検討するにあたりTCRはhTERT461特異的TCR遺伝子A12.78を、標的細胞としてHepG2細胞株(HLA-A24+、hTERT発現hi)を採用した。HepG2 2x10^6をマトリゲルと混和し、NSGマウスの体幹へ皮下投与することで7日目に触知可能な皮下腫瘍形成を確認した。TCR-T作製は健常人末梢血単核球を刺激し、レトロネクチン結合レトロウイルスプレートを用いることでTCR遺伝子導入T細胞を作製した。マウスへのTCR-Tの投与は腫瘍投与7日目に実施し、TCRとしてA12.87とコントロールとしてサイトメガロウイルス特異的TCRを用い、各群5匹ずつで行った。TCR-Tはマウス1匹あたり1x10^6個投与した。28日目まで腫瘍サイズを観察したところ、有意にA12.87で腫瘍の増大が抑えられた。
<ヒト応用用ウイルスベクター作製>臨床応用を見据えた対策として、従来のレトロウイルスベクターから実際に臨床応用できるタカラバイオのレンチウイルス発現システムpLVproに載せ替えを行った。臨床応用を目指しているAFPとhTERT特異的TCR3種(D3.55・D3.14・A12.78)に加え、コントロールとしてのサイトメガロウイルス特異的TCR(A2.CMV)の4種を作成した。
<遺伝子改変TCR発現ベクター作製>ペプチドワクチン症例のscRNA-seqデータより長期にわたって機能するT細胞でNOSIP、IL7R、CD62Lの発現が亢進していることが判明したことから、これらの遺伝子をクローニングし、pLVpro-TCRベクターの下流にIRES-目的遺伝子として挿入することとした。これらのベクター作製に順次着手している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Aim1-2に関しては大部分を完了しており、Aim3に注力する段階に至っており、これはおおむね予定通りである。今後2024-2026年度にかけて、TCR-T、遺伝子改変TCR-Tの効果を検証し、ICIとの併用についても検討を行っていく。

今後の研究の推進方策

Aim1-2に関しては大部分を完了しており、Aim3に注力する段階に至っており、これはおおむね予定通りである。今後2024-2026年度にかけて、TCR-T、遺伝子改変TCR-Tの効果を検証し、ICIとの併用についても検討を行っていく。
<2024年度>新しく作成したレンチウイルスでのTCR-Tの機能評価を行う。まずin vitroでのHepG2への細胞傷害活性を確認し、in vivoでのマウス担癌モデルでの有効性を確認する。遺伝子改変TCR発現ベクターの作製を行う。引き続き、ICI治療例の臨床検体の解析を行う。<2025-26年度>遺伝子改変TCRベクターの効果を検証する。ICIとの併用療法の効果を確認する。結果をまとめ、論文を作成する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Peptide vaccine-treated, long-term surviving cancer patients harbor self-renewing tumor-specific CD8+ T cells2022

    • 著者名/発表者名
      Mizukoshi Eishiro、Nakagawa Hidetoshi、Tamai Toshikatsu、Kitahara Masaaki、Fushimi Kazumi、Nio Kouki、Terashima Takeshi、Iida Noriho、Arai Kuniaki、Yamashita Tatsuya、Yamashita Taro、Sakai Yoshio、Honda Masao、Kaneko Shuichi
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 13 号: 1 ページ: 3123-3123

    • DOI

      10.1038/s41467-022-30861-z

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] シングルセルRNAシーケンスを用いた肝細胞癌に対するペプチドワクチンにより誘導される抗原特異的T細胞の解析手法2023

    • 著者名/発表者名
      中河 秀俊、水腰 英四郎、山下 太郎
    • 学会等名
      第109回日本消化器病学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 肝細胞癌に対するペプチドワクチン投与症例における抗原特異的細胞傷害性T細胞の表現型と予後の関連2023

    • 著者名/発表者名
      中河 秀俊 水腰 英四郎 山下 太郎
    • 学会等名
      JDDW2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 進行癌細胞癌に対するラジオ波焼灼療法先行アテゾズマブ・ベバシズマブ療法の忍容性の検討と免疫学的解析2022

    • 著者名/発表者名
      中河 秀俊、山下 竜也、金子 周一
    • 学会等名
      第108回日本消化器病学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 肝がんペプチドワクチン奏効例におけるワクチン特異的・非特異的CD8陽性T細胞の挙動と遺伝子発現解析2022

    • 著者名/発表者名
      中河秀俊 水腰英四郎 金子周一
    • 学会等名
      第58回日本肝臓学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] TUMOR-SPECIFIC IMMUNITY, NOT IRRELEVANT IMMUNITY, CONTRIBUTES TO PROLONGED SURVIVAL IN PEPTIDE-VACCINATED PATIENTS WITH HEPATOCELLULAR CARCINOMA2022

    • 著者名/発表者名
      Dr. Hidetoshi Nakagawa, Dr. Yuta Tamaru, Dr. Kouki Yamagata and Dr. Eishiro Mizukoshi
    • 学会等名
      AASLD The Liver Meeting 2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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