研究課題/領域番号 |
22K08053
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
岩泉 守哉 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (60444361)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | MSI / BRAF / マイクロサテライト不安定性 / BRAF変異 / 大腸髄様癌 / スプライシング異常 / 大腸がん / 薬物療法 / 感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)関連遺伝子変異(MSI変異)のひとつであるBRAFV600E体細胞変異を有する大腸がんにおいて、BRAFV600E変異随伴スプライシング異常がどのように薬物療法の感受性を変化させているのかを解明することにより、BRAF阻害薬併用療法の精確な個別化を目的としている。また、薬物療法の実施前後において、他のMSI変異随伴スプライシング異常が大腸がんで認められるか否かも探索し、同定された異常産物がどのように薬物治療感受性変化に関与しているかを検討することも目的とする。
|
研究実績の概要 |
大腸癌では、BRAF阻害薬併用療法が保険収載されたにも関わらずBRAFV600E変異随伴スプライシング異常についての検討の報告はほぼ皆無でありこの解明は急務である。今年度は昨年度に引き続き、MSIスプライシング変異として代表的なBRAFV600E変異の特徴を持つ大腸癌に関しての臨床病理学的解析を行った。2016年8月から2022年3月までに当院で外科的切除を受けた大腸癌患者651人の腫瘍部のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を用いてDNAミスマッチ修復(MMR)蛋白の免疫組織化学(IHC)によりMMR statusを評価し、MMR発現欠損(dMMR)大腸癌に対してBRAFV600変異解析をSanger法で行った。その結果、58例(8.9%)がdMMR大腸癌であり、52名がdMLH1大腸癌であった。MMR発現正常(pMMR)大腸癌と比較して、dMMR大腸癌およびdMLH1大腸癌では右側結腸に多く、高齢発症であり、腫瘍径が大きかった。dMMR大腸癌の中で、髄様癌と低分化腺癌はdMLH1を有していたが、興味深いことに粘液癌の全てがdMLH1を持つわけではない一方、全ての髄様癌でdMLH1の特徴を有していた。さらにすべての髄膜癌では、dMLH1に加えてBRAFV600E変異陽性であった。また、BRAFV600E変異陽性かつdMMR大腸癌ではBRAFV600E変異陽性かつpMMR大腸癌よりも予後が良かった。今年度は、BRAFV600E変異陽性大腸がんでは、dMMRを伴うと予後が良く、髄様癌ではBRAFV600E変異陽性かつdMLH1の特徴を有することが判明した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MMR正常型BRAFV600E陽性がん患者の集積が遅れている。しかしながら徐々に症例数が増えている。
|
今後の研究の推進方策 |
MMR正常型BRAFV600E陽性がん患者に関しての臨床病理学的検討を主に進め、同時にMSI変異図プライシングバリアント検出開発も進めていく。
|