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ヒト型胆汁酸マウスを用いた進行性家族性肝内胆汁うっ滞症モデル動物の作製

研究課題

研究課題/領域番号 22K08062
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関東海大学

研究代表者

加川 建弘  東海大学, 医学部, 教授 (30245469)

研究分担者 紙谷 聡英  東海大学, 医学部, 准教授 (30321904)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード胆汁うっ滞 / 胆汁酸 / 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症 / ノックアウトマウス / ゲノム編集 / モデル動物
研究開始時の研究の概要

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)は小児期に肝不全となり、肝移植を必要とする進行性かつ重篤な疾患である。6つの型があり、ATP8B1、ABCB11、ABCB4、TJP2、NR1H4、MYO5Bの遺伝子異常で発症する。PFICはモデル動物がなく、発症機序の解明や治療薬の開発は進んでいない。本研究ではヒト型胆汁酸マウスを用いて、ゲノム編集技術でPFIC原因遺伝子をノックアウトしたトリプルノックアウトマウスを作製し、PFIC発症機序の解明、治療薬開発のための基盤とする。

研究実績の概要

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(Progressive Familial Intrahepatic Cholestasis、PFIC)は小児期に肝不全となり、肝移植を必要とする進行性かつ重篤な疾患である。従来から、血清γ-GTPが上昇しないPFIC1、PFIC2とγ-GTPが上昇するPFIC3の3型が知られていた。PFIC1はphosphatidylserine flippaseであるATP8B1、PFIC2は胆汁酸トランスポーターであるABCB11、PFIC3はphosphatidylcholineトランスポーターであるABCB4の遺伝子異常で発症する。PFIC1,2,3に加えて、TJP2、NR1H4、MYO5Bの遺伝子異常で肝内胆汁うっ滞が発症することが報告されており、それぞれPFIC4, 5, 6と呼ばれている。PFICは重篤な疾患であるにも関わらず、発症機序の解明や治療薬の開発は進んでいない。その最大の原因はモデル動物の欠如である。マウスやラットの胆汁酸はミュリコール酸など親水性の胆汁酸が多く、細胞障害性が少ないため、PFICの原因遺伝子をノックアウトしても、肝障害を生じない。本研究ではミュリコール酸合成に関与する2つの酵素をダブルノックアウトしたヒト型胆汁酸マウスを用いて、さらにゲノム編集技術を用いてPFIC原因遺伝子をノックアウトしたトリプルノックアウトマウスを作製した。2023年度はABCB4, NR1H4ノックアウトし、その表現型を詳細に解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ABCB4、NR1H4遺伝子のエクソンのコーディング領域を標的とするgRNAを設計した。設計したgRNAとSaCas9タンパク質が肝特異的プロモーター制御下に発現するAAVベクターを作製した。これらのAAVをヒト型胆汁酸マウスの腹腔にinjectionし、目的の蛋白の発現が肝臓で欠損していることを確認した。ABCB4ノックアウトマウスでは顕著な肝障害が出現し、肝組織では門脈域に著明な炎症性細胞浸潤と線維化、ならびに細胆管反応が認められた。肝のmRNA解析では炎症マーカーであるTnfα、Il1βの増加、線維化マーカーであるCol1a1の増加、ならびにCyp8b1の著減を認めた。肝における胆汁酸分析ではタウロケノデオキシコール酸の増加を認め、肝障害との関連が示唆された。NR1H4ノックアウトマウスでは中途度の肝障害が見られた。肝のmRNA解析では炎症マーカーであるTnfα、Il1βの増加、線維化マーカーであるCol1a1の増加のほか、脂質代謝、糖代謝に関与する多くの遺伝子に変動が見られ、詳細を解析中である。また、ABCB11ノックアウトマウスでは肝障害は軽度であった。ヒトとマウスの表現型が異なる原因につき、検討している。

今後の研究の推進方策

令和5年度に作成したABCB4ノックアウトマウスについては、論文投稿中である。NR1H4ノックアウトマウスについては肝障害の原因につき、さらなる解析が必要であり、NR1H4肝特異的ノックアウト、全身ノックアウトによる肝障害の相違などにつき、検討するとともに、治療薬の開発についても検討を加える。また、残りのPFIC原因遺伝子についても順次AAVベクターを用いたゲノム編集によりノックアウトマウスを作製し、表現型を解析していく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 臨床医が知っておくべき胆汁酸の基礎と臨床2022

    • 著者名/発表者名
      加川建弘
    • 雑誌名

      胆道

      巻: 36 ページ: 121-129

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト型胆汁酸組成を持つ進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)モデルマウス作成の試み2023

    • 著者名/発表者名
      鶴谷康太、紙谷聡英、加川建弘
    • 学会等名
      第59回日本肝臓学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ESTABLISHMENT OFPFIC 3 MOUSE MODELCARRYING HUMANLIKEBILEACIDCOMPOSITIONBYIN VIVO LIVER-SPECIFIC GENE DELETION USING ADENOASSOCIATED VIRUS AND CRISPR/ Cas9 SYSTEM2023

    • 著者名/発表者名
      Kota Tsuruya, Akihide Kamiya, Yusuke Mishima, Yoshitaka Arase, Akira Honda and Tatehiro Kagawa
    • 学会等名
      アメリカ肝臓学会2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] MYO5Bの変異が原因と考えられた良性反復性肝内胆汁うっ滞症の一例2022

    • 著者名/発表者名
      三島祐介、鶴谷康太、荒瀬吉孝、広瀬俊治、白石光一、北村庸雄、加川建弘
    • 学会等名
      第43回胆汁酸研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 東海大学医学部 消化器内科 加川研究室

    • URL

      https://www.kagawa-lab.com/

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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