研究課題/領域番号 |
22K08066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
大島 忠之 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00381814)
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研究分担者 |
三輪 洋人 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80190833)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 機能性消化管疾患 / 粘膜バリア / 刷子細胞 / 機能性消化管障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,機能性消化管疾患における症状発現と消化管粘膜バリア機能の低下および腸内細菌叢の変容に対する刷子細胞(タフト細胞)の関与およびその病態解明と治療応用を考案することを目的とする.機能が明らかでないタフト細胞に着目し,機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群を含む機能性消化管疾患におけるその発現と消化管粘膜バリア機能との関連を解析する.さらに粘膜バリア機能に重要であるタイト結合蛋白分子の発現局在と制御および影響を及ぼす因子は全く明らかでない.この発現制御に関わりうるタフト細胞および粘膜上皮由来サイトカインやグループ2自然リンパ球が産生するサイトカインに着目し,バリア機能への影響を解析する.
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研究実績の概要 |
機能性消化管疾患(機能性ディスペプシア,過敏性腸症候群)における症状発現と消化管粘膜(十二指腸,回腸,大腸粘膜)バリア機能の低下および刷子細胞(タフト細胞)の関与について研究を進めている. 機能が明らかでないタフト細胞に着目し,機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群を含む機能性消化管疾患におけるその発現と消化管粘膜バリア機能との関連について解析をすすめている.機能性ディスペプシア患者の十二指腸粘膜には,タフト細胞の発現増加がみられた.さらにこのタフト細胞は,すべてChAT陽性であることが明らかとなり,ヒトと小動物では発現パターンが異なることが明らかとなった.一方,過敏性腸症候群の大腸粘膜ではタフト細胞数が増加しているとの既報があるにもかかわらず,予想に反して過敏性腸症候群患者の十二指腸,回腸,大腸粘膜においてタフト細胞の数は対照群と差がなかった.また機能性ディスペプシア患者の十二指腸粘膜では,好酸球浸潤数と肥満細胞浸潤数が対照群に比して増加しており,十二指腸好酸球浸潤数とタフト細胞数には正の相関がみられた. 十二指腸,回腸,大腸粘膜生検組織を用いて粘膜上皮のバリア機能を比較し,そのバリア機能を司る細胞間接着装置蛋白,特にタイト結合蛋白の発現局在の違いを検討し,この発現制御に関わりうるタフト細胞および粘膜上皮由来サイトカインやグループ2自然リンパ球が産生するサイトカインの発現について解析をすすめている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者所属研究機関の変更に伴い研究の遅れが生じているが,今後も症例集積に努め,機能性消化管疾患および対照者のサンプル採取と解析を継続する.
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今後の研究の推進方策 |
機能性消化管疾患(機能性ディスペプシア,過敏性腸症候群)患者と健常者の十二指腸,回腸,大腸粘膜生検組織を用いて粘膜上皮のバリア機能を比較し,そのバリア機能を司る細胞間接着装置蛋白,特にタイト結合蛋白の発現局在の違いを検討し,タフト細胞に発現するDCLK1, COX, IL-25およびコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)は免疫染色を行う予定である. またレーザーマイクロダイセクションによるタイト結合関連因子の局在解析:消化管粘膜上皮をレーザーマイクロダイセクションシステムで単離し,神経関連マーカーと免疫関連マーカーおよびタイト結合関連因子のmRNA発現をreal-time PCRで定量的に解析する.
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