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血液凝固制御因子ADAMTS13による急性肝不全新規治療法とバイオマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08084
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

高谷 広章  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40745460)

研究分担者 浪崎 正  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20526850)
鍛治 孝祐  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20623490)
吉治 仁志  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40336855)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードADAMTS13 / VWF / 急性肝不全 / ACLF / 急性腎障害 / バイオマーカー
研究開始時の研究の概要

急性肝不全(ALF)の予後は極めて不良であり新規治療法や予後予測法の開発が急務である。以前よりALFの病態には肝内の血液凝固が関与すると考えられている。本研究では、血液凝固制御因子であるADAMTS13を用いたALFに対する新規治療法の開発およびADAMTS13などALFの病態に関与する因子を用いた予後予測法などの開発を行い、ALF患者の予後向上を目的とする。

研究実績の概要

急性肝不全(ALF)の内科的治療の予後は極めて不良かつ根本的治療である肝移植は容易でなく、新規治療法や予後予測法の開発が急務である。ALFは肝類洞内凝固により肝内微小循環障害が生じ、最終的に肝壊死に至る。ところで血液凝固因子であるvon Willebrand factor(VWF)は血液凝固制御因子であるVWF切断酵素(ADAMTS13)により切断され、生体内で両因子はバランスを保ち血栓止血系を制御している。しかし血栓性血小板減少性紫斑病ではADAMTS13の低下、VWFの増加により両因子のバランス破綻が生じ、全身に病的血栓が形成される。ALFにおいてもADAMTS13の低下およびVWFの増加による両因子のバランス破綻が生じていることが明らかとなっており、ALFの病態である肝類洞内凝固、肝内微小循環障害に関与しているとの報告もされている。このため特にALFの死亡例ではADAMTS13著減とVWF著増が認められる。また肝硬変患者において肝硬変の進展に伴う肝不全とは違い、急速に肝不全が進行する病態(肝硬変急性増悪:ACLF)が近年、注目されている。ACLFは死亡率も高く、ALFの類縁疾患である。
ところでALFおよびACLFの重篤な合併症の一つとして急性腎障害(AKI)があり、これらの予後にも深くかかわっている。本年度は肝硬変患者のADAMTS13とVWFを測定して、肝硬変患者ではADAMTS13低下とVWF増加を認めることを確認し、さらに両因子のバランス破綻の指標であるVWF/ADAMTS13比はAKI発症予測や予後予測に有用であることを明らかとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ALFの重篤な合併症および予後に関わるAKIの病態にADAMTS13とVWFが関連し、VWF/ADAMTS13比は予後とも関連することを明らかとした。これは背景に肝硬変を有する患者のみでの検討ではあるが、ALFの患者にも応用することは可能と考えるため、研究はおおむね順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

引き続き急性肝不全の病態とADAMTS13およびVWFとの関連について研究を進めて行く。本年度は基礎的研究についてはまだ成果を得られなかったため、基礎的研究についても引き続き進めて行く。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] VWF/ADAMTS13 Ratio as a Potential Predictive Biomarker for Acute Kidney Injury Onset in Cirrhosis2024

    • 著者名/発表者名
      Asada Shohei、Namisaki Tadashi、Kaji Kosuke、Takaya Hiroaki、et al
    • 雑誌名

      Digestive Diseases and Sciences

      巻: 69 号: 3 ページ: 851-869

    • DOI

      10.1007/s10620-023-08257-w

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Ratio of von Willebrand Factor Antigen to ADAMTS13 Activity: Usefulness as a Prognostic Biomarker in Acute-on-Chronic Liver Failure2023

    • 著者名/発表者名
      Takaya Hiroaki、Namisaki Tadashi、Enomoto Masahide、Kubo Takahiro、Tsuji Yuki、Fujinaga Yukihisa、Nishimura Norihisa、Kaji Kosuke、Kawaratani Hideto、Moriya Kei、Akahane Takemi、Matsumoto Masanori、Yoshiji Hitoshi
    • 雑誌名

      Biology

      巻: 12 号: 2 ページ: 164-164

    • DOI

      10.3390/biology12020164

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ACLFにおけるADAMTS13の動態2022

    • 著者名/発表者名
      高谷広章, 浪崎正, 鍛治孝祐, 西村典久, 吉治仁志
    • 学会等名
      第48回日本急性肝不全研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ACLFにおけるADAMTS13の動態2022

    • 著者名/発表者名
      高谷広章, 浪﨑正, 吉治仁志
    • 学会等名
      JDDW2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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