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肝細胞がんに対する新規免疫チェックポイント阻害剤併用療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08091
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室)

研究代表者

木村 公則  地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 肝臓内科, 部長 (70397339)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード肝細胞がん / IL-18 / 免疫療法 / 肝細胞癌 / PDL1抗体 / メモリT細胞 / 治療薬 / PD-L1
研究開始時の研究の概要

国内がん死因の第5位に位置している肝細胞がんはHBVやHCVなどの肝炎ウイルスによる肝硬変を背景に発症することが多く、予後不良ながんの一つである。本研究課題では、免疫担当細胞の活性化を目的としたIL-18に着目し、IL-18とIL-2, PD-L1抗体との3剤併用による新規免疫チェックポイント阻害剤併用療法の有効性を検証し、肝細胞がんに対する新たな治療薬の開発を目指す研究である。

研究実績の概要

肝細胞癌(HCC)は予後不良の難治性癌である。肝細胞癌の治療薬としては、免疫チェックポイント阻害薬やチロシンキナーゼ阻害薬など様々な治療薬が使用されているが、その効果は不十分である。今回、我々は肝細胞癌マウスモデルを用いて、抗腫瘍免疫反応を活性化するために、インターロイキン(IL)-2+IL-18+抗PD-L1抗体の併用療法の治療効果を検討した。その結果、肝炎が持続する肝発癌モデルである高齢Mdr2ノックアウトマウスにおいて、肝腫瘍に対する抗腫瘍効果を誘導することを見出した。抗腫瘍効果は、CTスキャンによる腫瘍の大きさと血清αフェトプロテイン値で評価した。rIL-2+rIL-18+抗PD-L1Ab投与後、腫瘍サイズの縮小を認め、抗腫瘍効果が観察されたが、rIL-2+抗PD-L1AbまたrIL-18+抗PD-L1Ab投与後にはこの抗腫瘍効果は認めなかった。肝内リンパ球解析では、3剤投与後にCD8 T細胞、特にCD44-CD62L+、CD44+CD62L+、Ly108+CD69+細胞による顕著な浸潤が認められた。この抗腫瘍効果は、抗CD8 中和抗体の同時投与で消失したことから、この治療効果にはCD8 T細胞が必要であることが示された。肝細胞癌患者では、肝硬変(LC)または慢性肝炎(CH)患者よりも有意に高い血清IL-18BPレベルを示した。この3剤併用療法は、肝臓に初期メモリーCD8 T細胞を誘導・維持することから、新しい免疫療法として期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肝細胞がんに対するIL-2+IL-18+PDL1抗体の3剤併用投与が治療効果を有することが確認できた。現在治療効果のメカニズム解析を行っており、研究の進捗状況は良好である。

今後の研究の推進方策

IL-2+IL-18+PDL1Abの併用投与が、メモリーCD8T細胞を誘導することがわかり、今後はこのメモリーCD8T細胞の解析を中心に行う。まず、exhausted CD8T細胞の主要なマーカーであるTCF-1, Tim-3, LAG-3の発現を検討する。また腫瘍特異的CD8T細胞の検出を行う。MDR2KOマウス由来の肝細胞癌より肝がん細胞株を樹立しており、この細胞を標的細胞として用いる。さらに、TCRレパトア解析まで解析を進める予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Inhibition of CBP/β-catenin signaling ameliorated fibrosis in cholestatic liver disease2022

    • 著者名/発表者名
      Kimura Masamichi、Nishikawa Koji、Osawa Yosuke、Imamura Jun、Yamaji Kenzaburo、Harada Kenichi、Yatsuhashi Hiroshi、Murata Kazumoto、Miura Kouichi、Tanaka Atsushi、Kanto Tatsuya、Kohara Michinori、Kamisawa Terumi、Kimura Kiminori
    • 雑誌名

      Hepatology Communications

      巻: 6 号: 10 ページ: 2732

    • DOI

      10.1002/hep4.2043

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Early memory T細胞を標的とした肝細胞がんに対する新規治療法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      木村公則
    • 学会等名
      日本癌学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [産業財産権] がんの治療剤2022

    • 発明者名
      木村公則
    • 権利者名
      木村公則
    • 産業財産権種類
      特許
    • 出願年月日
      2022
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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