研究課題/領域番号 |
22K08093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
尾野 恭一 秋田大学, 本部, 理事 (70185635)
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研究分担者 |
岡本 洋介 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (50758224)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 心臓自動能 / イオンチャネル / 洞房結節 / 比較生理学 / 肺静脈心筋 / 心房細動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、心臓自動能の動物種差に着目し、種々の動物を用いて肺静脈心筋細胞の潜在的自動能に関与する蛋白質の同定と機能的役割の解明を目的とするものです。肺静脈に局在する心筋細胞は心房や心室のそれとは異なり、自分自身で律動的に拍動することができる能力を有しており、この性質が心房細動の発生及び維持に重要な役割を果たしています。申請者らはこれまでに、自動能の顕在化にかかわる電気生理学的性質について、動物種による違いがみられることを見出しました。動物種、とりわけ、心拍数や心臓のサイズがヒトに近い動物種を用いた研究により、ヒト肺静脈心筋の潜在的自動能解明に向けて、より詳細な情報が得られると考えています。
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研究実績の概要 |
該当年度は、ブタ肺静脈を用いた実験を断念し、心臓血管外科との学内共同研究によりヒト肺静脈を対象とした実験にも取り組んだ。ヒト肺静脈を対象とした遺伝子発現解析では、発作性心房細動だけでなく、慢性心房細動でも肺静脈は大きな役割を果たしているがわかった(Igarashi, IJMS 2023)。 また、電位依存特性ならびに塩化セシウム感受性から、ヒト肺静脈心筋細胞における過分極活性化電流の種類はほぼ同定されている。さらなる薬理実験を追加して確実に同定する計画である。 さらに、ラット洞房結節細胞の過分極活性化電流には塩化セシウムで抑制されない成分があり、細胞内クロライド濃度が150 mMの時の逆転電位から、Cl-電流である可能性が高い。今後、異なるクロライド濃度での実験を繰り返す必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの心臓に関する我々の研究で、表現型に影響が無い範囲であれば、同じ哺乳類の中でも分子レベルの種差が大きい事が分かってきた。したがって、進化プロセスが自然淘汰から外れれない範囲で、分子レベルでは多様性がプールされているという中立進化説の例を示しているのかも知れない。ただし、理論を裏付けるためには更なる実験データによる補強が必要である。現在のペースでは研究期間内に全てのプロジェクトを完遂するのは難しい。特にヒト肺静脈の入手は不定期であり、予定通りになっていない。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト肺静脈心筋細胞の薬理実験を通して、過分極活性化電流の種類を同定する。電流の種類によっては、術後心房細動治療方法を新規開拓できる可能性がある。ラット洞房結節細胞の過分極活性化電流の種類を同定する。
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