研究課題/領域番号 |
22K08108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
牛込 恵美 (白石恵美) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80440890)
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研究分担者 |
福井 道明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30247829)
濱口 真英 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80350883)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 腸内菌叢 / 食塩過剰摂取 |
研究開始時の研究の概要 |
塩分過剰摂取に起因するDysbiosisによる動脈硬化進展の詳細なメカニズムについては明らかでない。申請者らはこれまで、動脈硬化の進展抑制には減塩が極めて重要であることを報告してきた。また、減塩指導に対するアドヒアランスの限界についても明らかにした。申請者らは高脂肪食に伴うDysbiosisにおける腸上皮の脂肪酸トランスポーターの発現亢進及びプレバイオティクスによる腸内細菌叢の改変について明らかとした。本研究課題では、塩分過剰摂取によるDysbiosisに伴う腸粘膜上皮の脂肪酸吸収亢進機構を明らかにする。更にはプレバイオティクスが脂肪酸吸収の調整に有効であることを示す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、動脈硬化進展の新規機序として、塩分過剰摂取による腸内細菌叢のかく乱に伴う腸粘膜上皮の脂肪酸吸収亢進機構を明らかにする。更にはプレバイオティクスが脂肪酸吸収の調整に有効であることを示す。以上より、減塩アドヒアランスの限界に至った糖尿病症例における動脈硬化及び合併症進展抑制の新たなアプローチとすることを目的としている。 上記を目的に本研究計画では以下の2つの研究計画を進めた。研究計画1:動脈硬化モデルによる塩分過剰摂取と飽和脂肪酸吸収促進機構の解明、プレバイオティクスによる動脈硬化進展予防効果の検討(2022-23年:分担 牛込・濵口)。研究計画2:糖尿病患者を対象とした塩分摂取量と血清脂肪酸濃度の関連の概念実証試験(2022-23年:分担 牛込・福井) 研究計画1:食餌中の食塩濃度を4%とした高食塩食では小腸でのCD36の発現が亢進し、脂肪酸の吸収が亢進している可能性を同定した。また、CD36の発現亢進には高食塩食と関連した小腸での慢性炎症が関与している可能性を同定した。そして、この慢性炎症に2型自然リンパ球(ILC2)が重要な働きを持つこと明らかにした。本年度は最終年度として、動脈硬化モデルにおける慢性炎症並びに飽和脂肪酸吸収機構におけるILC2に注目し、ILC2の活性化に重要な働きをもたらすIL-33受容体ST2欠損マウスを用いた検討を行った。 研究計画2: KAMOGAWA-DMコホート研究(承認番号E-466)の参加者において、糖尿病患者426名と非糖尿病者97名において腸内菌叢を評価し、tSNE分析による次元削除により腸内細菌叢パネルを作成している。本年度は最終年度として、腸内細菌叢パネルが評価され、食事、喫煙をはじめとする生活習慣が評価できている男性195名を対象とし、BDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)にて定量的に評価される食塩摂取量、脂肪酸摂取量、食物繊維摂取量及びその種類と腸内細菌叢パネルの関連を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画は、研究計画1:動脈硬化モデルによる塩分過剰摂取と飽和脂肪酸吸収促進機構の解明、プレバイオティクスによる動脈硬化進展予防効果の検討(2022-23年:分担 牛込・濵口)・研究計画2:糖尿病患者を対象とした塩分摂取量と血清脂肪酸濃度の関連の概念実証試験(2022-23年:分担 牛込・福井)において、2024年は研究計画1・2の補足的な実験を行いつつ、成果を統合し、塩分過剰摂取による動脈硬化進展の新規機序として、塩分過剰摂取による腸粘膜上皮の脂肪酸吸収亢進機構を明らかにすること、並びに、この脂肪酸吸収亢進機構の抑制にプレバイオティクスが有効であることを示すことであった。 研究実績の概要に記述したように、塩分過剰摂取による動脈硬化進展の新規機序として、塩分過剰摂取による腸粘膜上皮の脂肪酸吸収亢進機構を明らかにすることは達成され、その成果の一部は国際誌においても発表しえた。また、腸内細菌叢を調整するプレバイオティクスによる動脈硬化抑制について、食物繊維、中でも発酵させた茶葉を直接摂取する抹茶に注目し、抹茶摂取による腸内細菌叢の変化と動脈硬化の関連を検討した。16週齢の雄性ApoE欠損マウスに抹茶を混餌した飼料を給仕し、動脈硬化および腸内細菌叢および腸内の代謝産物を評価した。この結果、抹茶の摂取により動脈硬化は抑制され、腸内細菌叢が変化することが明らかとなった。研究計画はほぼ達成されたと判断されたため、おおむね順調を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画では、動脈硬化進展の新規機序として、食塩過剰摂取による腸内細菌叢のかく乱に伴う腸粘膜上皮の脂肪酸吸収亢進機構を明らかにする。更にはプレバイオティクスが脂肪酸吸収の調整に有効であることを示す。 この目的を達成するため、以下の2つの研究計画を進めていく。 研究計画1:動脈硬化モデルによる塩分過剰摂取と飽和脂肪酸吸収促進機構の解明、プレバイオティクスによる動脈硬化進展予防効果の検討(2022-23年:分担 牛込・濵口) 研究計画2:糖尿病患者を対象とした塩分摂取量と血清脂肪酸濃度の関連の概念実証試験(2022-23年:分担 牛込・福井) 2024年は研究計画1・2の補足的な実験を行いつつ、成果を統合し、塩分過剰摂取による動脈硬化進展の新規機序として、塩分過剰摂取による腸粘膜上皮の脂肪酸吸収亢進機構を明らかにすること、並びに、この脂肪酸吸収亢進機構の抑制にプレバイオティクスが有効であることを示す。
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