研究課題/領域番号 |
22K08130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
金城 貴士 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (40548913)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 心房細動 / カテーテルアブレーション / epicardial connection |
研究開始時の研究の概要 |
心房細動の契機である異常発火が左心房に接続する肺静脈に起因することから、カテーテルアブレーションとして肺静脈隔離術の有効性が証明されている。しかし、右心房でのアブレーション治療戦略は未確立である。通常左右心房間の電気的接続は心房中隔やバッハマン束といった正常組織を経由するが、一部の症例では右心房と右肺静脈分岐部とを電気的に架橋する“心外膜接続”と呼ばれる筋束が存在し、その病態的意義はいまなお不明瞭である。本研究の目的は、“心外膜接続”の存在が、右心房における心房細動基質としての電気的・構造的再構築に如何に寄与しているかを明らかにし、右心房におけるアブレーションの治療戦略を構築する事である。
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研究実績の概要 |
心外膜接続(EC)の存在を規定する因子を特定すべく、実臨床で心房細動に対するカテーテルアブレーションを施行した患者群を対象に、造影CT上の解剖学的特徴を検討した。心房細動に対しカテーテルアブレーションを施行した251例を後ろ向きに解析し、右肺静脈前庭部円周状アブレーションでは肺静脈隔離に至らず、アブレーションラインより10mm以上内側のcarina領域への通電で肺静脈隔離に至った症例をEC(+)群と定義した。結果、251例中45例(17.9%)にECを認めた。CT解析の結果、EC(+)群で右肺静脈分岐角度(right pulmonary vein bifurcation angle: RPV bifurcation angle)は有意に大きく(47.7 vs. 38.8度, P < 0.001)、右肺静脈前庭部面積に占めるcarina領域面積比(area occupation ratio of the carinaregion to the RPV antrum: ARC)は有意に大きかった。(37.2% vs. 29.7%,P < 0.001)また、右肺静脈carina領域から開口するmid RPVの頻度もEC(+)群で高かった。(17.7% vs. 6.3%, P = 0.032)多変量logistic regression解析では、RPV bifurcation angle (odds ratio: 1.994, P = 0.002)と、ARC(odds ratio: 3.490, P = 0.013)が独立したECの規定因子であった。 これらの結果は心房細動アブレーションの治療戦略に寄与できる知見として、論文投稿し、アクセプトされた。(J Arrhythm. 2023; 39: 884-893.)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実施計画に設定した“人を対象とした研究”の3項目のうち、1項目は上述のごとく結果を明らかとしたが、残り2項目については、検討中である
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今後の研究の推進方策 |
アブレーション施行症例が、COVID-19感染による減少から回復したため、臨床症例を用いた研究計画項目3項目のうち、残る下記2項目の症例登録・検討を進める。 ①肺静脈隔離術施行症例において、アブレーション前のアクチベーションマップを作成し、ECの有無で2群に分割する。両群間で、左右心房間伝導の電気生理学的特性を検討・比較する。 ②肺静脈隔離術施行症例を後ろ向きに解析し、ECと徐脈頻脈症候群の関連について検討する。
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