研究課題/領域番号 |
22K08145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
渋谷 修司 弘前大学, 医学研究科, 講師 (10712599)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 冠攣縮性狭心症 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、冠攣縮性狭心症の重症例30名に全エクソーム解析を行い、血管収縮に関わるDAG and IP3 signalingの全258遺伝子において、稀で有害な遺伝子異常が正常群より有意に多いことを発見した。しかし、これらの遺伝子異常が本当に冠攣縮性狭心症の成因として関わっているかは不明のままである。 今回、これらの遺伝子異常を持つ患者由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を樹立し、冠動脈様血管平滑筋細胞、血管内皮細胞に分化誘導し、遺伝子発現の違いや機能異常の有無を評価することによりこれらの遺伝子異常が本当に冠攣縮性狭心症の成因に関与しているのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
冠攣縮性狭心症はカルシウム拮抗薬によりその予後は著しく改善したが、重症例では未だに心筋梗塞や心臓突然死を引き起こす。申請者は、冠攣縮性狭心症の重症例30例に全エクソ ーム解析を行い、血管平滑筋収縮の情報伝達経路であるDAG and IP3 signalingの全258遺伝子において、稀で有害な遺伝子異常が正常群より有意に多いことを発見した。しかし、これらの遺伝子異常が本当に冠攣縮性狭心症の成因として関わっているかは不明のままである。 今回、これらの遺伝子異常を持つ患者由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を樹立し、冠動脈様血管平滑筋細胞に分化誘導し、遺伝子発現の違いや機能異常の有無を評価することによりこれらの遺伝子異常が本当に冠攣縮性狭心症の成因に関与しているのかを明らかにする。 現在、冠攣縮性狭心症患者由来のiPS細胞の樹立、iPS細胞から血管平滑筋細胞を分化誘導しその機能の評価については終了しており、冠攣縮性狭心症患者由来のiPS細胞由来の血管平滑筋の作成できることが確認できている。また、分化誘導した血管平滑筋細胞のベースラインでの細胞内カルシウム濃度を計測し、アセチルコリンを投与しその細胞内最大増加カルシウム濃度を計測しコントロール群と比較することは終了しており、現在、ジルチアゼムなど薬剤を投与し 抑制効果があるか確認している。iPS細胞由来血管平滑筋細胞の機能の評価については、得られた血管平滑筋細胞の増殖能、遊走能、収縮能をコントロールと比較やiPS細胞由来血管平滑筋細胞のPLC活性、電圧依存性カルシウムチャネル(Cav1.2)のリン酸化と PKC活性の測定を現在行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞内のカルシウム濃度の測定の手技が難易度が高いため、安定した結果を得るために時間を要している。PLC活性の測定を何度も行ってきたが、うまくいっておらず未だコントロール、冠攣縮性狭心症群ともにしっかりしてデータが得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
細胞内のカルシウム濃度の測定の手技が難易度が高いものの、徐々に安定した結果を得られており、引き続きジルチアゼムなど薬剤投与による抑制効果を評価していく。PLC活性は違うELISAキットに変更して再度測定を行う予定であり、電圧依存性カルシウムチャネル(Cav1.2)のリン酸化と PKC活性の測定についても平行して行う。
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