研究課題/領域番号 |
22K08149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村越 伸行 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80447218)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心不全 / タンパク質翻訳開始因子 / EIF4EBP3 / エネルギー代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全は様々な心疾患に伴って心機能が低下し、うっ血や酸素供給不足を来たし、生活の質と生命予後を著しく悪化させる病態である。これまで心不全の発症や進展に関わる分子機序の研究が行われてきたが、様々な心疾患から心不全に至る共通の鍵分子については十分に分かっていない。我々は、虚血性心筋症および非虚血性心筋症のヒト検体によるRNA-seqデータベースを用いたバイオインフォマティクス解析により、タンパク質翻訳開始抑制因子EIF4EBP3が共通の新規心不全関連因子であることを見出した。本研究では、遺伝子改変マウスなどを用いてEIF4EBP3の心不全における役割を明らかにし、心不全診療への応用を目指す。
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研究実績の概要 |
1. マウス心不全モデルにおけるEIF4EBP3の役割の解明 EIF4EBP3ヘテロ接合欠損マウス(KO)および同腹の野生型マウス(WT)を用いた。心エコーではWT・KOともに心機能・形態とも正常であり、病理学的解析で心筋サイズや間質線維化の程度も有意差を認めなかった。全身麻酔・人工呼吸管理下に大動脈弓部縮窄(TAC)による圧負荷心不全モデルを作成した。6週後、WTと比しKOではTAC手術後の心機能悪化が抑制され、生存率が改善した。病理学的にはKOでは心室の線維化が抑制され、電子顕微鏡でミトコンドリア障害の抑制が認められた。RNA sequencingでは、WT-TAC群と比較して、KO-TAC群では脂肪酸エネルギー代謝に関わる遺伝子発現が維持された一方、線維化に関わる遺伝子発現は抑制されていた。また、心筋梗塞(MI)モデルにおいても、TACによる心不全と同様の所見を得た。現在、心筋エネルギー代謝の改善の機序に関して、EIF4EBP3と相互作用を来す分子の同定を試みている。 2. 培養心筋細胞を用いたEIF4-EIF4EBP3経路による分子機序の解明 WTあるいはKOから採取した心筋細胞におけるエネルギー代謝を細胞外フラックスアナライザーを用いて測定したところ、WT由来心筋細胞と比較して、KO由来心筋細胞では好気的エネルギー代謝が維持されていた。一方、EIF4EBP3 cDNA強制発現心筋細胞では好気的エネルギー代謝が低下していた。In vivo、in vitroの実験結果より、心筋梗塞や圧負荷による心不全では、心筋におけるEIF4EBP3の発現が亢進し、好気的エネルギー代謝を抑制し、心機能の悪化に関与していること、そして、EIF4EBP3阻害によって、心不全の病態が改善する可能性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はほぼ計画通り順調に進んでいる。心筋細胞を用いた実験では、当初の計画では電気生理学的解析などで評価する予定だったが、マウス実験の結果から標的分子がエネルギー代謝調節に重要であることが分かったため、心筋細胞を用いた実験はエネルギー代謝に焦点を当てた実験を主体として行なっており、順調に成果が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
EIF4EBP3遺伝子欠損によって、どのようなタンパク発現が変化するのかプロテオーム解析を行う。GST融合組換えタンパクを作成し、アフィニティクロマトグラフィーにより、EIF4EBP3と結合するタンパクを同定する。
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