研究課題/領域番号 |
22K08151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉田 純一 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (70755694)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 心不全 / 迷走神経 / 下神経節 / シングルセル / アデノ随伴ウイルス / Gタンパク質共役受容体 / 感覚神経 / 一細胞 / オプトジェネティクス / 後根神経節 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全においては交感神経の慢性的な活性化が予後を増悪させることが知られており、迷走神経を束として賦活化することで心不全治療を行おうという試みがされている。本研究では、一細胞レベルで遺伝子を解析できる技術や個々の神経細胞の活性化・抑制により機能を解析する技術を用いて、今まで漠然と交感神経と副交感神経とに分けられてきた自律神経及びその中枢とされる視床下部について、新たな視点から神経システムを理解し、多臓器間のネットワークを理解することを目標とする。
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研究実績の概要 |
心不全の病態において、脳が心臓へのストレスをどのように感知して、心臓へのフィードバックをしているのかを明らかにすることは、病態の包括的理解に重要であると考えられる。慢性心不全では副交感神経の抑制が病態の進展に関与していると言われており、迷走神経全体を束として刺激する副交感神経賦活化が心不全治療として試みられているが、臨床的に予後の改善には至っていない。迷走神経は心臓以外にも全身の臓器に分布しており、心不全の病態において重要な役割をしている神経細胞群を同定し、その神経細胞群を特異的に機能修飾することが心不全の予後改善につながると考えられる。
今年度の研究において、心不全モデルマウスの脳を解析し、心機能低下と神経活動が相関する脳領域を推定した。また、野生型マウスの脳への介入により心拍・呼吸機能に関与がある領域を同定した。 さらに、心不全時に心臓へのストレスを感知する下神経節について一細胞レベルでの遺伝子解析を行い、心不全への病態に関与している可能性のある神経細胞集団を同定した。また、遺伝子発現に変動のあるGタンパク質共役受容体に注目し、これらの受容体に結合するリガンドの作用を詳細に分析した。その結果、複数のリガンドが心拍数や呼吸機能へ影響を与えることを新たに見出した。
アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いて神経に遺伝子導入を行うために、AAV作製方法について検討し、全身投与に必要な収量を得ることができるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心不全の病態に関与している可能性のある迷走神経の特定の神経細胞群を同定した。また、心機能や呼吸機能に作用のあるリガンドを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
迷走神経内の特定の神経細胞群をターゲットにした心不全治療が可能であるかを検討する。また、リガンド投与により長期的に心不全改善効果が得られるかを検討する。
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