研究課題/領域番号 |
22K08167
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
森本 聡 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80257534)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 血圧 / 食塩嗜好 / 室傍核 / 肥満 / レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系 / 食塩摂取 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満では食塩摂取量が多いことが、臓器障害の進行に寄与している可能性が考えられる。そのため、食塩の過剰摂取により増加した脳内Na+がレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系を介して、食塩嗜好や交感神経活動の亢進をもたらし、その結果さらに脳内Na+負荷が増加し悪循環が形成される、という仮説の妥当性を検証する。
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研究実績の概要 |
肥満では脂肪細胞からの“アルドステロン(Ald)分泌因子”がAldの分泌を増加させること、食塩嗜好や交感神経活動(SNA)の亢進が見られること、および脳内レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)が亢進することが知られている。「肥満では食塩過剰摂取により増加した脳内Na+が、脳内の(P)RRを第一ステップとするRAASを介して、食塩嗜好やSNAの亢進をもたらし、その結果さらに脳内Na+負荷増加させる」、という仮説を立て、以下の実験を行う。1)肥満における高食塩食が、脳内RAAS・食塩嗜好・SNAに及ぼす影響の検討、2)肥満における高食塩食による変化に及ぼす減塩の効果判定、3)肥満における高食塩食による変化に及ぼす各種遮断効果の評価。2023年度には実験1)の後半部および2)の途中までが終了した。1)正常血圧ラットを、4週齢時より高脂肪食+高食塩食(a群)、高脂肪食+低食塩食(b群)、低脂肪食+高食塩食(c群)、低脂肪食+低食塩食(d群)で飼育し、12週齢時に断頭屠殺した。PVN内のAng変換酵素mRNAとAng I型受容mRNAは有意な変化を示さなかったが、Ang II濃度は(有意差は無いが)上昇する傾向、(P)RR mRNAとAld濃度は有意な上昇を示した。2)4週齢時から高脂肪食+高食塩食、8週齢からは高脂肪食+低食塩食(e群)、4週齢時から低脂肪食+高食塩食、8週齢からは低脂肪食+低食塩食(f群)で飼育し、12週齢時に血液と脳組織を採取した。体重、血清総コレステロール値、血糖値は、概ねa群、b群>c群、d群であった。8週目から11週目まで測定した血圧および血管SNAはa群>e群>f群、11週に測定した食塩嗜好はa群、e群>f群であった。現在e群、f群におけるPVN内のRAASコンポーネント濃度の測定を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度もテレメトリー用カテーテルの挿入がうまくいかないことがあり、何度かやり直しをする必要があった。それ以外は比較的順調であった。しかし、2022年度における進捗が遅かったことが影響し、2023年度内に予定していた実験2を終了するところまでは到達できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
3年目の2024年度には、引き続き工夫をこらしながら実験を進めて行く。実験2を仕上げ、実験3を行っていく。分子生物学的実験においては、熟練している当科の研究助手に協力を依頼し、スピーディに実験を展開していく予定である。
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