研究課題/領域番号 |
22K08178
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森本 竜太 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00755499)
|
研究分担者 |
加藤 勝洋 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10841950)
坂東 泰子 (暮石泰子) 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60452190)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 免疫チェックポイント阻害薬 / 免疫関連有害事象 / PD-L1 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は従来の抗がん薬とは一線を画す作用機序により画期的な治療効果を有し、現在適応症も拡大の一途をたどっているが、過剰な細胞障害性T細胞 は様々な臓器に重篤な副作用(免疫関連有害事象:irAE)を引き起こし、正常な心筋をも攻撃しがん患者の生命予後に大きく影響を来すものとして心血管irAEが挙げられる。心血管irAEに関する発症予測因子や免疫学的な関連メカニズムの解明が望まれるが、近年、がん病巣拡大の指標として注目されている可溶性免疫チェックポイント分子(sPD-L1)が心血管irAE発症時より上昇をするため、臨床上有用なバイオマーカと成り得るかを検証する。
|
研究実績の概要 |
当院ではがん化学療法関連心血管合併症のチャートレビュー(承認番号 2019-0176)研究を行ってきており、2021年 Prognostic impact of immune-related adverse events on patients with and without cardiovascular disease: a retrospective review をCardiooncologyに投稿済である。2020年9月からは化学療法部と循環器内科連携でICI投与患者全例に対して、左心機能の僅かな変化の検出にも有用とされる心エコーでのgloballongitudinal strain (GLS)評価や定期的な血液検査を多科共同で行う体制を構築し、稼働を開始しており、2020年4月27日以降 登録患者数は768人となっている。心筋炎を合併した症例に関しては心筋生検を行い、HE染色に加えて、CD3, 4, 8, 20, 68, PD-1, PD-L1 染色を行い、病態と免疫染色との関連に関して更なる解析を行ってきた。また他臓器におけるirAE と心血管合併症との関連やその後の予後に関してや心エコー上のGLS データとバイオマーカとの関連に関しても着実にデータ収集ができている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年4月以降、心筋傷害を認めた患者はこれまで11人であり、 内訳としてはCTCAE grade 1-3人、grade 2-0人、grade 3-3人、grade 4-3人 となっている。血液検査、心電図検査、心エコー検査は従来の2D心エコーによる心腔サイズ、LV-EF、ドプラ法や組織ドプラ法による拡張能評価を行うとともに、Phillips社の3Dの自動解析ソフトHeart Modelや2D スペックルトラッキング法の自動解析ソフトAutoStrain 4.0を使用して、3D LV-EFとGLSを計測する。ICI開始後、他臓器にgrade2以上のirAEを認めた場合に心エコー指標のbaseline との変化率を評価し、レファレンスとして心筋傷害を来していない患者との血液検査結果の比較を行う。
|
今後の研究の推進方策 |
現時点では同定が出来ていないが、次年度以降にヒト蛋白マイクロアレイを用いて、自己抗体の同定を目指す。心筋炎の病態に特異的な発現亢進ないしは低下が認められる免疫関連パスウェイの検討を行うが、今後中間解析を行い、研究の方向性を再確認するとともに、仮説に問題がなければ継続してデータ収集に努める。
|