研究課題/領域番号 |
22K08181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野里 陽一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50880390)
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研究分担者 |
山本 浩一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00528424)
沢村 達也 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30243033)
高橋 利匡 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60807270)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 酸化LDL / 脂質異常症 / 高血圧 / 腎不全 / レクチン様酸化LDL受容体 / アンジオテンシンII1型受容体 / Gタンパク共役受容体 / アンジオテンシンII |
研究開始時の研究の概要 |
脂質異常症と高血圧は相乗的に心血管病の発症、進展に関与するが、脂質異常症が高血圧や高血圧合併症に及ぼす直接作用のメカニズムは不明である。脂質異常症で上昇する酸化LDLと高血圧発症に関与するアンジオテンシンII両者の受容体の複合体形成を介したシグナル活性化に着目し、酸化LDLとアンジオテンシンIIが相乗的に高血圧及び高血圧関連疾患を増強する新規機序を解明する。
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研究実績の概要 |
実験1: 酸化LDL-LOX-1依存性にAII誘導性高血圧の増強反応が生じるかの検討 通常食飼育した野生型マウスに対して8週齢から通常食継続(ND)群、高脂肪食投与(HFD)群に振り分け(0週)、2週間後に4週間のAII (0.4γ)負荷(AII 0.4γ群)を行った。対照群として生食群を用いた。AII+ND・HFD両群では、同等にAIIによる昇圧反応がみられたが、仮説に反して、血清アルドステロン濃度や副腎でのアルドステロン合成系の遺伝子群(CYP11B1、CYP11B2、NR4A1、NR4A2)の発現に有意差は診られなかった。そこでさらに低用量AII(0.1γ)負荷で同様の検討を行ったところ、両群ではAIIによる昇圧反応はみられないもののND群に比してHFD群では有意に血清アルドステロン濃度の上昇と副腎でのアルドステロン合成系の遺伝子(CYP11B2)発現の上昇を認めた。これらは、すでに得ていた副腎培養細胞での検討と一致した結果であった。 実験2: 酸化LDL-LOX-1依存性にAII誘導性腎傷害の増強反応が生じるかの検討 実験1と同様に、高用量AII(0.7γ)負荷による腎傷害の誘導を行った。両群での昇圧反応や血清アルドステロン濃度は同等であった。一方でHFD単独では変化がみられなかったものの、AII負荷を追加することでND群と比べ、HFD群では有意に腎機能低下(血清クレアチニン上昇、尿アルブミン上昇、尿中8OHDG上昇)が見られた。腎組織での検討では、HFD群でMasson-Trichrome染色やPAS染色による強い腎傷害が認められた。HFD群では酸化ストレス、炎症、線維化関連遺伝子の有意な上昇を認めた。これらは、すでに得ていた培養細胞(腎尿細管および腎線維芽細胞)での検討と一致した結果であった。 実験1、2それぞれにおいて野生型のみならず、LOX-1 KOマウスでも同様の検討を行った。また、野生型 AII+HFD負荷群で得られた病態が、KOで軽減することを見出しており、これらの病理像がLOX-1依存的である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験では、予想外にAII負荷後の脱落例が発生したり、高脂肪食負荷による摂餌量の低下や発育不良が生じるなどしたが、実験プロトコルを修正するなどの対応で概ね仮説に一致した結果を得た。組織解析に関しての病理評価や、免疫染色の条件検討や適切な抗体の選定に問題があり遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
【研究実績の概要】の通り、AII誘導性の副腎からのアルドステロン分泌や、AII誘導性の腎傷害が高脂肪食(酸化LDL)負荷による増強すること、またLOX-1KOでその増強効果が消失あるいは軽減することから生体レベルにおいても酸化LDLとAIIによるAT1Rシグナルの増強が証明された。高脂肪食負荷では、血清LOX-1アゴニストの上昇を認めているが、摂餌量低下や体重増加の抑制が見られるなど酸化LDL以外の誘因も示唆されることから、直接酸化LDLを生体内に投与する系でも検討を予定している。今後は、採取した組織の不足データの解析(RT-PCRによる遺伝子発現検討、WBによるタンパク発現の検討、免疫染色など)を進めて行く予定である。また、より酸化LDLとAIIの直接の反応を評価するために、未着手の副腎および腎組織スライスカルチャーの系において酸化LDLのとAII負荷により相乗的にCa2+センサーであるpGP-CMV-GCaMP6sベクターを導入後のAT1R下流シグナルがより顕著となるかを検討する予定である。
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