研究課題/領域番号 |
22K08187
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮田 敬士 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特別研究員 (50398228)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心不全 / 鉄代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
心筋における鉄動態/代謝制御による機能維持やその変容による心疾患病態の研究は個体レベルで検討する有効な手法がなく、生体内の心臓における鉄制御に介在する分子メカニズムは明らかになっていない。本研究では、生理的、病理的モデルマウス及び細胞内鉄センサー関連遺伝子改変マウスを用いて、個体レベルの心筋細胞における鉄動態制御とその変容が心機能に与える影響を検証し、心筋の鉄動態制御と心機能恒常性維持の意義の解明を行う。この成果より従来の鉄補給ではない、鉄動態制御による新たな心不全病態の治療・予防法開発、さらには超高齢社会を迎えた本邦において今後急増する心不全患者の治療法の確立に繋がる研究を確立する。
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研究実績の概要 |
個体レベルの心筋細胞内の鉄動態制御と生理的な心機能恒常性維持機構とその制御の変容による心不全病態発症機構についての分子レベルを明らかにするため心筋特異的鉄関連遺伝子改変マウスを用いて解析を進めた。 本年度は心筋細胞内二価鉄増加に伴う心筋収縮亢進の分子機構の解明ために心筋内のミトコンドリア機能解析を行った。心筋細胞内二価鉄増加マウス(Fbxl5 CKO; aMHC-Cre Tg)の心組織を用いて心筋細胞内の筋細胞膜下ミトコンドリア(SSM)と筋線維間ミトコンドリア(IFM)の分画に抽出し、それぞれの分画においてフラックスアナライザーによるミトコンドリア呼吸機能解析を行った。心筋細胞内二価鉄増加マウスのSSMの酸素消費速度(OCR)は対照群に比べ差異を認めなかったが、IFMのOCRについては明らかな低下を認めた。また、ミトコンドリア生合成、融合を含めたミトコンドリア関連分子のqRT-PCR解析やATP量測定を行ったが、明らかな差異を認めなかった。Caチャンネル関連遺伝子の発現解析を行ったところ、心筋細胞内二価鉄増加マウスの心組織において対照群に比べSerca2a蛋白の明らかな低下を認めた。以上より心筋細胞内二価鉄増加マウスの心筋収縮亢進のメカニズムとしてミトコンドリア関連機構とは別の機構が存在する可能性が示唆された。標的分子及びシグナル経路探索のため心筋細胞内二価鉄増加マウスと対照群の心組織を用いてプロテオーム解析とRNAseq解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は予定通り遺伝子改変マウスを解析し結果が得られ、プロテオームとRNA-seqの網羅的解析を行っており、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
マウス心臓サンプルを用いたプロテオームおよびRNA-seqより得られた網羅的データよりenrichment解析や遺伝子改変マウスの心臓の表現型とマッチするgene ontologyから候補因子群を抽出し、心機能亢進の分子メカニズムについて新規鉄動態関連因子や新規シグナル経路についてin vivo、in vitro の両方で検討を行う。
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