研究課題/領域番号 |
22K08188
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 南九州大学 |
研究代表者 |
永田 さやか 南九州大学, 健康栄養学部, 准教授 (00452920)
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研究分担者 |
北村 和雄 宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 特別教授 (50204912)
福田 顕弘 大分大学, 医学部, 助教 (30628889)
和田 啓 宮崎大学, 医学部, 教授 (80379304)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ビッグアンジオテンシン-25 / レニン・アンジオテンシン系 / アンジオテンシノーゲン / ビッグアンジオテンシン-25 / 生理活性ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
レニン・アンジオテンシン系(RA系)は、循環器・腎臓疾患の発症や進展において重要な役割を果たしており、RA系阻害薬は広く臨床の現場で使用されている。しかしながら、組織RA系に関しては不明な点が多く、臓器障害においてRA系阻害薬の効果が不十分であるとの報告もある。これらの疑問の解決のカギとなるペプチドがビッグアンジオテンシン-25(Bang-25)である。そこで本研究では、RA系の出発点となるアンジオテンシノーゲンからの生成産物やBang-25の生成・変換機構を明らかにし、組織RA系を解明する。さらに将来的に循環器疾患や腎臓疾患の臓器障害における診断薬や治療薬の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
レニン・アンジオテンシン系(RA系)は、循環器・腎臓疾患の発症や進展において重要な役割を果たしており、RA系阻害薬は広く臨床の現場で使用されている。しかしながら、組織中のアンジオテンシンII(Ang II)生成機構に関しては未だに不明な点が多い。この疑問の解決のカギとなるペプチドであるビッグアンジオテンシン-25(Bang-25)は組織Ang II 生成機構に関与している可能性が高いと考えられるが、その生成・変換機構はいまだに解明されておらず、また他のRA系因子の存在も否定できない。そこで本研究では、(1)Aogenの血中・組織中での生成産物を明確にする。(2)Bang-25の血中・組織中での変換機構を明確にする。(3)N末端にAogen構造を有するペプチドを検索する。以上の3点について研究を行い、組織中のAng II 生成経路を明確にすることを目的としている。 これまでAogenのアミノ酸配列や糖鎖の結合部位をヒトと他の動物種を比較したところAng II以外のRA系関連ペプチドが存在する可能性があると考えられた。また、Aogenは、安定した立体構造をとる事から、AogenからレニンによってAng Iのみが生成される。一方でリシルエンドペプチダーゼは、立体構造を保ったままのAogenを断片化する事ができた。そこで酵素の切断に関わる糖鎖の構造を決定するためにリシルエンドペプチダーゼで断片化したAogenを精製し、ヒトAogenの14番目に結合する糖鎖の構造を決定した。 また現在、ヒトの血清と血漿中に精製したヒトAogenや合成Bang-25を添加してその分解産物の確認を行っている。さらに培養細胞にレニン阻害剤やアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤などを加えて細胞内のRA系因子の遺伝子発現や生成されるペプチドの検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに研究目的(1)についてAogenの生成産物の予測を立てるためにAogenのアミノ酸配列や糖鎖の位置を比較した。またヒトの血清と血漿に精製したヒトAogenを添加し、その分解産物を確認しているところであるが、Ang IやAng IIといった既知のペプチドが多く、現在も生成産物についての研究は進行中である。一方でリシルエンドペプチダーゼをヒト血液由来の精製Aogenに添加して断片化する事でAogenに結合している糖鎖の構造を解析可能となった。特にレニンの酵素特異性に関わるAogenの14番目に結合する糖鎖の構造が明らかとなった。さらに関連する酵素の検索においては、血清や血漿、培養細胞の実験を引き続き行っているところであり、来年度も引き続き行う予定である。 研究目的(2)については、ヒト血清や血漿、培養細胞にレニン阻害剤やACE阻害剤などを加えて細胞内のRA系因子の遺伝子発現や生成されるペプチドの検討を行っている。同時にBang-25を添加して、Bang-25がどのように分解されていくのかを確認している。これらRA系因子とBang-25の生成、変換機構についても引き続き行っていく予定である。 研究目的(3)については、N末端構造を認識できるような新しい測定系を改良しているところである。次年度に引き続きN末端にAogen構造を有するペプチドを検索する。以上より、本研究は、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的(1)については、Aogenを血液や尿、組織抽出液や培養上清に加えて反応させ、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いてその生成産物を確認しているところである。そのため新しい生成産物が確認できた場合は、その分画を単離し、構造解析を行う。還元アルキル化やN-グリコシダーゼ処理を行ったAogenに関しても血漿や血清、組織抽出液や培養上清に加えて反応させ、逆相HPLCなどを用いてその生成産物を確認する。生成産物が確認できた場合は、その分画を単離し、構造解析を行う。AogenからBang-25や新しいペプチドが生成された事が確認できた場合は、各種のプロテアーゼ阻害剤を一緒に反応させBang-25や新しいペプチドの生成に関与する酵素を絞り込み、酵素の特定を試みる。 研究目的(2)については、Bang-25を血漿や血清、組織抽出液や培養細胞上清に加えて反応をさせたところである。反応液を逆相HPLCなどを用いて解析し、Bang-25の分解産物を確認する。分解産物が確認できた場合は、その分画を単離し、構造解析を行う。また、各種のプロテアーゼ阻害剤を一緒に反応させBang-25の分解酵素の特定を試みる。 研究目的(3)については、Bang-25を発見した方法論を用いて、尿のみでなく様々な細胞や組織抽出液を用いてペプチド検索をする。Ang IIのN末を認識する測定系を用いて様々な細胞抽出液をSepPakによる脱塩・除タンパクを行った後にゲル濾過クロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラフィーを用いる事でペプチドを精製・分画化していく。それぞれの精製過程においてAogenのN末を認識する測定系を用いて活性を確認する。これまでに報告のない分子量の分画が得られた場合は、その構造解析を行う。
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