研究課題/領域番号 |
22K08197
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡邉 昌也 北海道大学, 大学病院, 助教 (40632047)
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研究分担者 |
畑中 豊 北海道大学, 大学病院, 特任准教授 (30589924)
新宮 康栄 北海道大学, 医学研究院, 講師 (30617064)
横田 卓 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (90374321)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心外膜脂肪 / ミトコンドリア / 心房細動 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、心臓周囲脂肪(EAT)の過剰な蓄積と心房細動との関連が報告されている。ミトコンドリアはエネルギー産生の多くを担い、ミトコンドリア機能の異常は心血管病や神経疾患などの発症に関わる。EATのミトコンドリア機能異常は、活性酸素種(ROS)の産生増加やEATの蛋白分泌プロファイルを変化させる可能性がある。しかし、心房細動の発症機序解明を目的としたEATミトコンドリア機能の解析を行った研究はこれまでに皆無である。本研究では、EATのミトコンドリア機能に着目し、「EATミトコンドリア機能低下は、アディポサイトカインの分泌異常やROSの産生増加によって心房細動基質を進展させる」という仮説の検証を行う。
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研究実績の概要 |
2023年3月までに、53例の患者から心外膜脂肪組織の検体採取と臨床情報(心電図指標、CTでの心外膜脂肪組織容積、心エコーでの心房径、心房収縮能、組織ドップラー)収集を行った。脂肪組織のミトコンドリア呼吸能は全例で行うことができ、O2 consumption、呼吸調節率に対象患者集団内の分散を確認した。研究当初の仮説通り、O2 consumptionを中央値で2分した二群間での心房リモデリングの指標として左房径、左房収縮指標、心電図における心房伝導遅延指標、回診術後の心房細動発生率について比較したが、有意な差を見いだせなかった。 心外膜脂肪組織から分泌される炎症性サイトカイン、アディポカインなどの蛋白分泌量を免疫抗体法で測定し、脂肪組織重量あたりのミトコンドリア呼吸能との相関について評価した。ミトコンドリア呼吸能とMCP1、アディポネクチンの発現量に正の相関を認めた。研究開始時の予想としては、炎症を惹起するMCP1はミトコンドリア呼吸能と負の相関を示すことを予想しており、予想に反する結果であった。 一方、ミトコンドリア呼吸能と組織学評価による脂肪細胞の断面積には強い負の相関を認めたことから、組織あたりの脂肪細胞数とミトコンドリア呼吸能が相関することが示唆された。このため、単位ミトコンドリア当たりの呼吸能を測定し、左房リモデリングが進んだ患者とリモデリングが進んでいない患者での単位ミトコンドリアあたりの呼吸能に差がみられるか解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の見込みよりも順調に患者検体を収集することができ、解析に必要な症例数をすでに満たしている。 ミトコンドリア呼吸能の測定は全例で行うことができており、既に解析も終了している。 今後、脂肪組織の組織病理解析、遺伝子発現を行う予定だが、HE染色では組織評価が可能であること、mRNA、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNAの抽出は既に終了している。
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今後の研究の推進方策 |
ゲノムDNA、ミトコンドリアDNAを測定し、単位ミトコンドリア当たりの呼吸能として補正を行い、左房リモデリングが進んだ患者とリモデリングが進んでいない患者での単位ミトコンドリアあたりの呼吸能に差がみられるか解析を進める。 脂肪組織のmRNAの発現を網羅的に解析し、ミトコンドリア機能、心房リモデリング指標ととmRNA発現量の関連性について評価する。
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