研究課題/領域番号 |
22K08205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 秀和 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (20590342)
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研究分担者 |
長尾 学 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (70866029)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 糖尿病性心筋症 / 分岐鎖アミノ酸代謝 / 心筋代謝リモデリング / 分岐鎖アミノ酸 / 心不全 / 2型糖尿病 / 心筋インスリン抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1.糖尿病性心筋症と分岐鎖アミノ酸代謝の関連を明らかにし、2.同病態に起因する心不全への治療応用を目指す。糖尿病性心筋症は糖尿病に合併する心室機能障害の中でも、冠動脈疾患や高血圧に起因しない心筋症と定義され、心不全患者数の増加の一因となっていることが予想される。また、インスリン抵抗性を有する2型糖尿病患者や肥満者では分岐鎖アミノ酸の代謝障害により、その血中濃度が上昇することや、心不全と分岐鎖アミノ酸代謝障害の関連も報告されている。糖尿病は心不全の予後を相乗的に悪化させることが立証されており、「心不全パンデミック」が叫ばれる昨今において、本研究の持つ意義は非常に大きい。
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研究実績の概要 |
本研究ではインスリンシグナルの中心的役割を担うPDK1( phosphoinositide-dependent protein kinase 1 )を脂肪組織特異的にノックアウトしたAdipo-PDK1 Knockoutマウスを糖尿病性心筋症のモデル動物として用いている。本マウスは心肥大・心筋インスリン抵抗性、BCAA代謝障害を呈することを確認している。 SGLT2阻害薬をはじめとして、心筋分岐鎖アミノ酸代謝に影響を及ぼす薬剤・分子について研究を進めており、候補の一つとしてあがったバリン代謝物であるβ-アミノイソ酪酸(beta-aminoisobutyric acid; BAIBA)による心筋インスリン抵抗性制御機構を検証した。Adipo-PDK1 Knockoutマウスへ50-100mg/kgのBAIBAを離乳後より飲水投与し、心肥大へ及ぼす作用を検討したところ、本マウスの心肥大の抑制には至らなかった。引き続き、心筋インスリン抵抗性の評価や心臓超音波によって、心機能を定量していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
仮説に反する結果となっており、その原因検索のために時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
SGLT2阻害薬、BAIBAともに、心臓における分岐鎖アミノ酸代謝障害やインスリン抵抗性による心リモデリングを改善させる作用は現時点では確認できていない。次年度は心臓組織のRNAシーケンスを施行し、本マウスのBCAA代謝酵素や脂質・糖代謝に関わる分子の遺伝子発現について、包括的な評価を行う予定である。そこから検出された分子を標的とした薬剤介入を行っていく。
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