研究課題/領域番号 |
22K08208
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
坂本 一郎 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (90616616)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 中心静脈圧 / Fontan / SGLT2阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性心疾患の中で最重症の単心室症に対してFontan手術が行われるようになり、成人に到達する症例は増加しているが、成人後の予後は極めて不良である。中でも心不全はFontan術後患者の最も多い死因である。しかし心臓移植が難しい本邦ではFontan術後患者に施行できる治療方法がないのが現状である。 新規心不全治療薬であるSGLT2阻害薬はその機序は明らかになっていないが、さまざまな心不全にその有効性が示されている。本研究はSGLT2阻害薬のFontan術後症例における有用性と機序を解明することが目的である。
|
研究実績の概要 |
本研究は成人到達後のFontan手術後症例に対する心不全治療薬のSGLT2阻害薬がどのような血行動態的な影響を与えるに関する研究である。心臓カテーテル検査を施行した成人Fontan手術後症例に対して、動脈血酸素飽和度・中心静脈圧・心拍出量といったFontan手術後の予後に影響を与える指標を評価の上、中心静脈圧上昇症例に対してはSGLT2阻害薬を積極的に行う研究デザインとした。研究開始後2例に投与を開始したが、自覚症状や外来での血液検査などの指標での改善は認められない。最終的にはFontan手術後の予後規定因子である動脈血酸素飽和度・中心静脈圧・心拍出量を心臓カテーテル検査で求める以外に方法はないのかもしれない。 とはいえ、非侵襲的な評価指標を発見することは非常に重要と考えられる。本研究の治療評価判定に肝臓における評価が重要と考えられ、当院の肝臓内科と「ハート・リバーチーム」を作り、肝臓内科と併診するシステムを構築した。SGLT2阻害薬投与前から肝臓内科医による評価を行うようにしている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
心臓カテーテル検査を行ったFontan術後症例のうちSGLT2阻害薬の投与を開始する症例は中心静脈圧が上昇しており、かつループ利尿薬が使用されている症例を対象とした。ループ利尿薬を投与されている症例が少なく、実臨床としてはループ利尿薬の投与を優先せざるを得ない。 一方で心臓カテーテル検査で得られる以外の指標を模索していく必要があり、上述のごとくFontan関連肝臓病の観点から指標を探すのが望ましいと考えている。肝臓内科と「ハート・リバーチーム」を結成し、肝臓内科医からの意見も聞きながら指標を探しているが容易ではないのが現状である。そのためデータが不十分であり、学会での結果発表などができていない。
|
今後の研究の推進方策 |
肝臓内科とのカンファレンスを充実させ、非侵襲的な肝臓の面からの指標を模索する。 慢性期の効果は確認することは容易ではないと考えられるため、投与前後の体重・尿量・検尿所見などを急性期投与による効果も検討する。 単施設での研究は難しい可能性もあるため、診療連携をしている福岡市立こども病院との共同研究も視野に入れていく。
|