研究課題/領域番号 |
22K08209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
辻田 賢一 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (60571263)
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研究分担者 |
高潮 征爾 熊本大学, 病院, 助教 (50573599)
有馬 勇一郎 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (60706414)
石井 正将 熊本大学, 病院, 講師 (70823293)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | トランスサイレチン型心アミロイドーシス / 心内微小環境 / 冠微小循環障害 / 心筋生検 / メタボロミクス / タファミジス / パチシラン / 心不全パンデミック / 心アミロイドーシス / 冠微小循環 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全患者は激増し心不全パンデミックを迎えている。心アミロイドーシスは高齢者心不全の原因の一つで、四量体安定化薬タファミジスが上市されたものの、病態形成機序の理解に基づく予防・治療法の提案は急務である。 病態の起点となる心臓へのアミロイド沈着が、微小循環含めた心内微小環境にどのような変化をもたらし、心不全へつながるのか明らかにする。心アミロイドーシス拠点施設としての機能を活用し、心筋生検組織、冠血流速・冠内圧の物理情報、そして大動脈・冠静脈洞サンプリングにより得られる血液検体を、心不全の重症度や病態と対比しながら統合的に理解し、アミロイド沈着がもたらす心内微小環境の変化を解明する。
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研究実績の概要 |
昨年度明らかにした心内微小環境評価系;冠微小循環障害Coronary Microvascular Dysfunction; CMDの妥当性の普及が進み、全国各地のハイボリュームセンターで、CMD指標のIndex of Microvascular Resistance; IMRの計測環境が整った。 更に当科から報告した、①トランスサイレチン型心アミロイドーシス:ATTR-CMの疾患特異的治療薬タファミジスの予後改善効果(ESC Heart Fail 2023)、および②心内微小環境におけるアミロイド沈着量と各種臨床パラメータとの相関(J Amer Heart Assoc 2022)を元に、本年度は、次なるATTR-CM患者におけるメタボロミクス解明に向けて、大動脈-冠静脈洞血液サンプリング、心内膜心筋組織の収集を行った。 今年度、この微小環境の変化を非侵襲的に評価する画像診断としての心臓CTがゴールドスタンダードの心臓MRI同様に有用な事(Eur Radiol 2024)、また新規メカニズムを有するsiRNA核酸医薬Patisiranの有効性も見出した(N Engl J Med 2023)。これらのデータから本研究対象患者では、可能な限り全例で、心臓造影CT、心臓造影MRIの撮像を施行した。 今後、ATTR-CMの病態解明が進み新規医薬品の開発が進む中、本研究プロジェクトの意義は大きくなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.希少疾病とされるトランスサイレチン型心アミロイドーシスだが、県内外の基幹病院より多くのATTR-CM患者の紹介が続いており、順調な患者登録、検体収集が実施できているため。 2.CMD評価系の確立と国内普及が予想通り進んでいるため(J Cardiol 2023)。 3.新規薬剤による症状改善効果を示す事ができ(N Engl J Med 2023)、今後のメタボロミクス解明への複数の治療薬での個別評価の可能性を示したため。 以上より、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までの研究進捗により、CMD評価系の確立、稀少疾患であるATTR-CM患者のエントリーがスケジュール通りに進捗している。患者エントリーに従いメタボロミクス評価用の検体も蓄積する。患者データに上乗せする予後追跡データも収集を続ける。 次年度以降、心筋生検検体の組織学・病理学的評価、メタボローム解析を実施していく。 以上より研究進捗の見通しは良好である。
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