研究課題/領域番号 |
22K08217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
岩崎 雄樹 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60398865)
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研究分担者 |
杉浦 清了 株式会社UT-Heart研究所, 研究開発部, 取締役 社長 (10272551)
塚田 弥生 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20301567)
塚田 信吾 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 多元マテリアル創造科学研究部, フェロー (80454205)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 早期再分極症候群 / テンソル心電図 / 心臓シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
早期再分極症候群は遺伝性不整脈として知られ、心電図で早期再分極パターンを呈する特徴があり、突然死の原因となる。本研究では、早期再分極心電図を呈する症例が致死性不整脈を発症する機序を明らかにし、突然死予防につながる危険因子を明らかにする事を目的とする。早期再分極パターンを呈する症例に対してテンソル心電図解析を行い、心室心内膜・心外膜の活動電位波形を導出する。心筋イオンチャネルの発現量と分布を推定する。インシリコモデル心臓シミュレーターである『UT-Heart』を用いて致死性不整脈発生シミュレーションを実行し致死性不整脈発生の条件設定の抽出とリスク層別化を行う。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、テンソル心電図解析システムの基盤を作るため、デジタル心電図データの抽出方法の確立および紙媒体の心電図波形からのデジタル化を行った。令和5年3月に第87回日本循環器学会学術集会のシンポジウムでテンソル心電図解析の概要および初期の解析結果について『Novel wearable device with Tensor ECG for Comprehensive Monitoring in the Patients with Heart Failure』という演題名で報告した。令和5年度はデジタルデータの心電図から情報をCSV形式で抽出し、半自動解析のプログラムを作成した。 健常例から早期再分極・ブルガダ症候群の心電図のフィッティングを行い、健常例については良好な結果が得られたが、脚ブロックやブルガダ症候群といった特徴あるQRS波形を有する症例についてはフィッティング精度が不十分な場合があり、プログラムの改良を行った。今後バージョンアップしたプログラムの検証を行う。
2024年4月に日本不整脈心電学会心電学関連春季大会で「テンソル心電図解析による致死性不整脈のリスク層別化の試み」という演題名で報告した。引き続き、日本人の年齢別・性別ごとの正常症例および早期再分極心電図パターンの症例データベースを作成し、テンソル心電図解析を行うことにより、各パラメーターの比較を行っていく。現在テンソル心電図の方法論に関する論文を投稿中である。 令和6年度は、これまでのテンソル心電図解析の有用性と解析結果を国内学会、および国際学会で報告し原著論文として発表する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テンソル心電図解析のための半自動解析プログラムの作成に成功している。ただし健常例に対する精度は問題ないものの、特徴あるQRS波形の症例についてはプログラムのアップデートを行った。デジタル心電図データを用いて、正常症例と早期再分極症候群・早期再分極心電図症例の解析を実施しておりおおむね計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度ではデジタル心電図構築した正常症例と早期再分極症候群・早期再分極心電図症例のデータベースの解析を実施し、QRS波形のフィッティング精度の検証とフィードバックを行うとともに致死性不整脈に関連する特徴量の抽出作業を行う。得られた結果をもとに、シミュレーションにより致死性不整脈発生の機序解明に向けた検証を行う。
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