研究課題/領域番号 |
22K08222
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
朔 啓太 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40567385)
|
研究分担者 |
安在 大祐 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40611116)
荒船 龍彦 東京電機大学, 理工学部, 教授 (50376597)
坂本 隆史 九州大学, 大学病院, 助教 (50641015)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 虚血性心疾患 / 心不全 / 自律神経 / 補助循環 / 医療機器開発 |
研究開始時の研究の概要 |
循環器分野はデバイス医療の進歩とともに発展を遂げた。動的循環制御システムの再構築において必須である「心室補助」、「脈調節」、「自律神経調節」においては、循環補助装置、心臓ペースメーカー、神経電気刺激装置がそれぞれ開発されている一方で、独立した開発過程をたどり、動的循環制御システムにまで介入ができない。既存機器に対して、動的循環制御を目指した制御アルゴリズム構築と機器同士の動作統合を行うことで、経験をベースとした医療を超えた未来医療が可能となる。本研究では、急性心筋梗塞の心筋ダメージと急性心不全時の血行動態破綻にターゲットを絞り、革新的循環器疾患治療機器開発につながる基盤研究を推進する。
|
研究実績の概要 |
本課題では、循環ダイナミクスの再構築を行うデバイス融合による革新的治療戦略のPOCを確立する。デバイス開発への橋渡しを確実に行うことを想定し、① ソフト構築、② ハードの設計と作製、③ 動作・有効性検証および④ 臨床応用戦略策定・実施の4実施項目を科学的側面から追求する。2022年度の開発目標は、In-silico検証に最適な循環シミュレーターの開発およびシミュレーターを用いた検証とIn-vivoでの循環制御実験である。循環シミュレーターにおいては、循環平衡や圧容量曲線が治療方法毎にシミュレーションできるソフトウェアを作成し、Web上での公開を行った(https://simarthur.jp/)。また、それらを用いた症例報告論文を発表した(Unoki T, Saku K et al.International Heart Journal 2022 / Ando M, Watanabe N, Saku K et al. European Heart Journal Case Reports 2022)。また、ヤギ虚血再灌流モデルや犬虚血性心不全モデルを用いて、左室補助装置(Impella, ABIOMED社)やVA-ECMO、IABPおよび迷走神経刺激(JOHAKU, NCI社)による自動的血行動態安定化と左室心臓仕事量低下のin-vivo検証を行った(Kakuuchi M, Saku K et al. JCS 2022)。体表的磁気刺激による動脈圧反射刺激装置の開発は、体表から的確に神経刺激することが難しく、実現可能性が低いと判断したが、動脈圧反射を的確に刺激し、電池植込みが不要な刺激装置の開発を行い、犬モデルでの動作検証に成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年の実験計画はほぼ完了した。また、循環シミュレーターの開発においては、臨床データを用いた有用性検証ができただけでなく、Webサイトでの公開も行うことで教育ソフトとして多くの医療スタッフに使っていただく道筋を立てることもできた。
|
今後の研究の推進方策 |
臨床応用が本課題の最重要課題であり、複数の開発事項を臨床応用に向けて的確に統合する必要がある。概ねの開発方針に変更はないが、統合の過程で、現実的でない、もしくは実現可能性が低いと判断される開発項目は適切に切り離しを行い、急性心不全臨床に必要な統合を進めていく。
|