研究課題/領域番号 |
22K08239
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
安藤 航 北里大学, 薬学部, 助教 (60586387)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 特発性間質性肺炎 / 薬学 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症(IPF)は肺を構成する組織が傷害されたり修復されたりを繰り返すことで、肺の組織がコラーゲンと呼ばれる線維に置き換わる疾患であり、マクロファージをはじめとする過剰な免疫反応が関係するとされているが、原因や治療方法は確立していない。本研究ではマクロファージおける間質細胞由来因子とその受容体によるシグナル伝達経路(SDF-1/CXCR4経路)の役割について解析し、IPF治療への応用や有用性について検討する。
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研究実績の概要 |
2023年度は当初の研究計画を一部変更し、野生型マウス(C57BL/6系統)での薬剤投与実験より先立ち、ブレオマイシン誘発肺線維症モデルにおいて、ブレオマイシンの経気管投与によって主病変である肺の線維化像が観察できるかどうかを確認した。6から7週齢の雄性Lys-M Cre Cxcr4 flox/floxマウスおよびコントロールとしてCxcr4 flox/floxマウスを用いて、麻酔下にてブレオマイシン 2.5mg/kgを経気管投与し、day 0, 7, 14にて肺を摘出し、病理切片を作製した後、マッソントリクローム染色およびシリウスレッド染色にて、肺組織における線維化像を観察した。肺組織においてはコラーゲンの沈着および架橋形成はcKOマウスにおいてコントロールと比較して軽減している傾向がみられた。線維化の半定量解析は当該年度中に必要匹数を確保できなかったため、次年度に実施することとした。並行して、摘出した肺の一部をホモジナイズし、3-ヒドロキシプロリンの定量解析用サンプルおよび、mRNA抽出用のサンプルを得た。これらのサンプルも次年度に解析する予定である。 本年度ではブレオマイシン誘発肺線維症モデルの検証を主に実施したが、ブレオマイシンの毒性が肺の線維化より強く現れていると疑われる個体が認められているため、投与量を1.5または2.0 mg/kgに変更するなどして、モデルの検証を引き続き実施し、系を確立する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究は概ね順調に進行していたが、ブレオマイシン誘発肺線維症モデルの作製実験において、投与量の検討を繰り返したことにより、予定していた病理組織解析およびサイトカイン・ケモカインの解析に遅れが生じたため、「(3)やや遅れている。」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度では、サンプリングした病理組織における線維化病変の半定量解析および、マクロファージの活性化および線維化に関与するmRNAの定量解析を予定している。また、ブレオマイシン誘発肺線維症モデルの投与量を下げた群における比較も実施し、病態モデルの確立を目指す。その後、野生型マウスにおけるブレオマイシン誘発肺線維症モデルも作製し、SDF-1/CXCR4シグナルの阻害剤の投与実験も実施する予定である。
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