研究課題/領域番号 |
22K08244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
近藤 光子 東京女子医科大学, 医学部, 特任教授 (50178430)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 原発性線毛機能不全症 / 線毛細胞 / 細胞培養 / 線毛運動 / cilia / airway epithelium / air-liquid interface / cell culture / bronchiectasis |
研究開始時の研究の概要 |
原発性線毛機能不全症(Primary ciliary dyskinesia、PCD)の診断は、遺伝子・鼻腔NO・線毛の電子顕微鏡・高速ビデオ・免疫蛍光染色とともに、培養細胞を用いた評価が推奨されている。本研究ではPCD患者の気管支鏡粘膜生検から得られた気道上皮細胞を、Conditional Reprogramming法で基底細胞を増殖・増幅し、Air-liquid interface法で高分化線毛上皮を誘導し多面的解析を行う。本研究により日本人PCDの診断精度が向上し、薬効評価や遺伝子治療などの個別化医療への道を拓く可能性がある。
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研究実績の概要 |
原発性線毛機能不全症(Primary ciliary dyskinesia; PCD)は希少遺伝子疾患であるが多彩であり、遺伝子検査、鼻腔NO測定、線毛の透過型電子顕微鏡による観察、免疫染色、高速ビデオを用いた線毛運動の解析など複数の検査を用いて検討することが望まれている。しかし、線毛自体の解析は感染などによる線毛の2次的損傷後の異常との鑑別が問題になる。これを解決するために培養細胞による解析が有用とされている。一方、気道上皮細胞の初代培養は、継代後の細胞増殖には限界がある。特に、疾患気管支から採取したPCDの気道上皮細胞は培養成功率が低い点も問題となっている。これらを解決するために、本研究ではConditional Reprogramming(CRC)法を用いて線毛細胞の培養、解析を行うことを目的とした。令和5年度は、本邦において最も頻度が多いとされるDRC1大規模欠損のPCD症例を対象に検討した。気管支鏡で採取した気管支粘膜生検組織をプロテアーゼ処理で、上皮細胞を単離し、CRC法を用いて基底細胞を増殖させた。その後、細胞をTranswellに蒔き、コンフルエンスの後にAir-liquid interface法に置換して、更に1ヶ月にわたって培養を継続し、線毛細胞へと分化誘導させた。次に作成した線毛細胞の線毛運動を高速ビデオで観察し、また形態学的観察も行った。その結果、DRC1 変異の培養細胞の線毛は振幅が小さく周波数が低下した運動を示していた。さらにこの細胞にDRC3 抗体による免疫染色を行ったところ、DRC3の線毛自体への染色が観察されず、N-DRC complexのassemblyの障害が疑われた。また、透過型電子顕微鏡での線毛の構造は特異的な異常所見は観察されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本邦に多いとされるDRC1大規模欠損での線毛細胞の培養に成功し、線毛運動の解析や形態学的観察を実施中である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降はDRC1変異症例において、より汎用性が高い抗DRC抗体を用いて線毛の免疫染色を行い、補助診断となりうるか検討する。またPCD、DPB、その他の気管支拡張症症例においてもCRC法で上皮細胞を培養し、線毛運動や形態学的観察の他、培養シート上でのパーティクルの移動などを用いて粘液線毛輸送系全体の評価を試みる予定である。
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