研究課題/領域番号 |
22K08252
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邊 広祐 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (50644291)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 小細胞肺がん / 細胞表面タンパク / 個別化医療 |
研究開始時の研究の概要 |
小細胞肺がんは肺がんの約15%を占める予後不良な肺がんで、生存期間中央値は限局型で約2年、進展型で1年弱である。分子生物学的解析も進んでいるが、肺腺がんで認められるような分子標的薬の標的となる遺伝子異常に乏しい。 本課題では、抗体薬を用いた治療標的としやすい細胞表面タンパク質に着目し、発現が増加している細胞表面タンパク質の同定と機能解析を通じて、発がんにおける意義や治療標的の可能性を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
小細胞肺がんは、分子標的薬の良い標的となる遺伝子異常に乏しく個別改良が実現していない。近年、小細胞肺がんをmRNAの発現プロフィールに基づいてサブタイプ分類することが提唱されている。サブタイプによって異なる生物学的特性を有していると考えられ、治療標的も異なる可能性が想定される。本研究課題では細胞表面タンパクに着目し、各サブタイプによって発現が増加している細胞表面タンパク質を同定し、その機能解析を通じて発がんにおける意義や治療標的の可能性を明らかにすることを目的としている。 公開されている発現データベースを解析し、小細胞肺がんの特定のサブタイプによって発現が増加している細胞表面タンパク質を検索し、ASCL1サブタイプにおいて発現が増加している遺伝子Xに着目し機能解析を進めている。複数の小細胞肺癌細胞株で遺伝子Xをノックダウンすると細胞増殖が抑制され、Ki-67陽性細胞の割合が減少することが確認された。また、遺伝子Xが低発現の小細胞肺癌細胞株を用いてレンチウイルスベクターで遺伝子Xを強制発現すると、増殖の促進され、より大きな細胞集塊が形成された。以上より遺伝子Xは小細胞肺癌の細胞増殖に関わっており、新たな治療標的となりうることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
浮遊細胞を用いたsiRNAやレンチウイルスベクターの実験で条件検討に時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
FACSを用いた細胞周期やアポトーシスの解析を実施する。また、細胞増殖抑制のメカニズムを検討するために、RNA-seq等による網羅的な遺伝子発現解析を実施したい。
|