研究課題/領域番号 |
22K08254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
古澤 春彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40632154)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | サルコイドーシス / 遺伝子解析 / 気管支肺胞洗浄 / GWAS / transcriptome / eQTL |
研究開始時の研究の概要 |
サルコイドーシスは全身の臓器に非乾酪壊死性肉芽腫病変を生じる炎症性疾患である。病態は多彩であり、約6-7割が自然寛快する一方肺の線維化を来し死亡する症例もみられる。発症の原因は不明だが、家族集積性があり、特定の環境や職業で発症リスクが高まることから、遺伝学的・免疫学的に疾患感受性のある個体が抗原に感作されて発症すると考えられている。HLA、BTNL2など免疫に関わる遺伝子の関与が解明されているが、本疾患の臨床像が多彩である原因は未だ不明である。本研究はサルコイドーシス患者の遺伝子関連解析を行い、臨床病態と組み合わせて検討することで、病態に特徴的な遺伝子素因を解明することが目的である。
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研究実績の概要 |
サルコイドーシスは原因不明の類上皮肉芽腫を形成する全身性疾患であり、肺・眼・皮膚・心臓・神経など多臓器に肉芽腫を形成する。その臨床像は極めて多彩であり、人種や民族により異なった経過を示す。北欧ではLöfgren症候群と呼ばれる急激に発熱・関節痛と皮膚病変を伴い発症し速やかに緩解する疾患群が存在する一方、欧米では肺線維症により死に至る症例が多い。本邦では相対的に肺病変が線維化し悪化する症例は少ないがぶどう膜炎や心臓病変を伴うことが多く治療に難渋する症例も多い。これらの民族差や、一部の症例で遺伝性がみられることからサルコイドーシスの発症に遺伝素因があると考えられることから、サルコイドーシスの肺病変線維化など重症化に関わる遺伝素因を明らかにすることを目的として本研究を行うこととした。本研究の目標は、①肺線維化に特徴的な遺伝子発現やたんぱく質発現を同定すること、②肺線維化に特徴的な遺伝子発現やたんぱく質発現を同定することである。 ①について、現在サルコイドーシス患者約700例の臨床経過や血液データを取得しており、うち約100例のDNAを収集した。今後も臨床データやDNAの収集を継続する予定である。また、これらの臨床データを収集する過程で、サルコイドーシス患者において疲労感などの臓器非特異的症状が約43%に見られることなどを解明し、日本呼吸器学会総会などで報告した。また、②については本学にて気管支内視鏡を施行したサルコイドーシス患者20例について、気管支肺胞洗浄液よりmRNAと上清を収集し、現在も検体の集積を続けている。今後①の解析結果を待ち、RNAシークエンスやプロテオーム解析などを行い新たなバイオマーカーの探索を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
引き続き新型コロナウイルスの蔓延によるサルコイドーシス患者のリクルート、ならびに気管支肺胞洗浄の施行が予定より遅れている。過去に採取した気管支肺胞洗浄液を用いて現在検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
予定より遅れているもののサルコイドーシス患者の遺伝子およびmRNAの集積を行っており、今年度中にGWAS,RNAシークエンスなどの網羅的な解析を開始する予定である。また、一部の症例で血清や気管支肺胞洗浄液上清についても取得できたため、今後mRNAのクオリティが不良であった場合、プロテオミクス解析などによる網羅的解析も考慮する予定である。
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