研究課題/領域番号 |
22K08255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
安尾 将法 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (20402117)
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研究分担者 |
北口 良晃 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (40447751)
和田 洋典 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (80848739)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 第3群肺高血圧症 / 第1群肺高血圧症 / 診断 / 動物モデル / スフィンゴシンキナーゼ1 / 肺気腫 / Sphingosine 1-phosphate |
研究開始時の研究の概要 |
肺疾患に肺高血圧が合併すると予後不良であり、このような病態を第3群肺高血圧症(3群PH)と呼称する。3群PHは現在酸素療法以外に確立された治療法がない。一部の症例では肺血管拡張薬の投与が有効とされるが、一方で低酸素血症の増悪により呼吸状態が悪化する症例も存在し、有効症例を判別する手段がないのが現状である。肺動脈性肺高血圧症患者の血清で高値となることが知られているSphingosine 1-phosphate (S1P)と我々が開発した第3群肺高血圧症ラットモデルを用いて、S1Pが血管病変優位型と肺病変優位型の第3群肺高血圧症を判別するために有用か検討する。
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研究実績の概要 |
研究計画に従って、第3群肺高血圧症モデルラットにおける肺組織および血清のスフィンゴシンキナーゼ1(Sphk1)濃度を測定したところ、肺組織および血清のいずれも平均は移動脈圧との間に負の相関関係がみられていた。第1群肺高血圧症ではSphk1濃度と平均肺動脈圧とは正の相関関係があることが既報で述べられており、第3群肺高血圧症では肺組織の破壊(気腫化)の影響によりSphk1の減少が起こるためにこのような結果となったと予想した。この予想を証明するために、既報と同様の第1群肺高血圧症モデルラット(第1群肺高血圧症モデルラットを作成(10%酸素投与、SU5416 Day1投与、3週間飼育後、21%酸素投与に戻して8週間飼育)し、我々の施設で作成している第3群肺高血圧症モデルラット(15%酸素投与、SU5416Day1, 8, 15投与、6W間飼育)との比較をおこなった。以上の3群における血清中のSphk1濃度についてELISA法により測定したところ、数値の高い順に第1群、低酸素のみ(コントロール)、第3群という結果であった。Sphk1の多寡について予想通りの傾向は得られたが、問題点としていわゆる第1群としての肺動脈病変の特徴であるPlexiform lesionが組織学的にみられなかった。本来12週間常酸素で飼育するのが原法であるが、3群肺高血圧症モデルラットと週数を合わせる目的で4週間短縮したことが一因と考えられた。 追加実験を予定していたが、低酸素発生装置の不具合により、低酸素飼育中の酸素濃度を13%以下に下げられない状態となり、追加実験を行うことができなかった。低酸素発生装置の修理が近日終了見込みであるので、2024年度はより正確な第1群肺高血圧症ラットを作成し、再度Sphk1の測定を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上述の通りなのであるが、低酸素発生装置の不具合によって実験の実施が滞っており、この1年間あまり進捗できませんでした。近日中に装置の修理が終了(修理自体は終了しており、設置と規定通りの低酸素が発生していることの確認作業を行うところです)した後にラットの飼育を再開する予定です。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は確定しているので、既報通りの第1群肺高血圧症モデルラットを当施設でも作成し、第3群肺高血圧症モデルラットとの比較(血行動態、組織学的な検討と血清及び肺組織のSphk1濃度測定)を行います。結果を出して最終年度として学会で発表できるデータを出す所存です。
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