研究課題/領域番号 |
22K08258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松尾 顕 熊本大学, 発生医学研究所, 学術研究員 (50735074)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 損傷修復 / 細胞運命転換 / Notchシグナル / Club細胞 / 基底細胞 / 扁平上皮化生 / 運命転換 / 可塑性 / 前癌病変 |
研究開始時の研究の概要 |
損傷修復(再生)のために、分化細胞は別の細胞へ運命転換する可塑性を保持する。しかし、この可塑性は、疾患環境において、前癌病変発生(発癌)の原因になるが、その発生機序は不明瞭である。我々は、気管club細胞から基底細胞への運命転換機構を明らかにしてきた。前癌病変である扁平上皮化生は、気道上皮細胞が基底細胞へ運命転換する現象である。そこで、本研究では、club細胞の運命転換が、再生及び前癌病変(扁平上皮化生)にどのように寄与するかを検証する。本研究の知見は、恒常性及び前癌病変におけるclub細胞の可塑性の理解につながる。さらに、内因性細胞の賦活化による損傷修復を目指した癌治療の基盤形成を目指す。
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研究実績の概要 |
損傷修復(再生)のために、分化した細胞は細胞運命を転換する可塑性を保持する。しかし、この可塑性は前癌病変発生(発癌)の原因となるが、その発生機序は不明瞭である。我々は、マウス気管において、Notchシグナル標的遺伝子の不活性化により、Club細胞が基底細胞(induced basal cell、iB細胞)へ脱分化することを見出した。前癌病変である扁平上皮化生は、気道上皮細胞が基底細胞へ運命転換(脱分化)する現象である。そこで、本研究では、Club細胞の運命転換が、再生及び前癌病変(扁平上皮化生)にどのように関与するかを細胞系譜解析と1細胞トランスクリプトーム解析(scRNA-seq)を用いて検証することを目的とした。本研究の知見は、Club細胞(分化した細胞)の可塑性がどのように恒常性及び発癌に寄与するかの理解、前癌病変である扁平上皮化生の発生機構の理解、さらには、細胞運命を制御する技術を用いて、内因性細胞の賦活化による損傷修復を目指した新たな癌治療の基盤形成につながる。令和4年度は、予定していたClub細胞からiB 細胞を誘導する際のClub細胞、iB細胞及び基底細胞の亜集団が同定できた。さらに、1細胞トランスクリプトーム解析による軌道予測(RNA velocity解析)と細胞系譜解析を用いることで、高解像度にClub細胞からiB 細胞が誘導される系譜が推測できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Club細胞からiB 細胞を誘導するScgb1a1-rTA;tetO-Cre;Notch標的遺伝子fl/fl;R26R-tdTomatoマウス(以下運命転換マウス) とScgb1a1-rTA;tetO-Cre;R26R-tdTomatoマウス(以下コントロールマウス)の1細胞トランスクリプトーム解析のデータ解析を用いて、誘導された基底細胞(induced basal cell、iB細胞)の亜集団の同定を行った。その結果、近接する二つのKrt5/Trp63発現基底細胞集団とKrt13/Krt4(扁平上皮細胞マーカー)発現細胞集団を発見できた。細胞動態の推定を行う目的で、RNA velocity解析を行った。その結果、Krt13/Krt4発現細胞集団から基底細胞への軌道が予測された。以上の結果は、1細胞トランスクリプトーム解析により、Club細胞から基底細胞を誘導する際の細胞集団を同定したことを示唆している。Tet-ONシステムとCre/loxPシステム併用細胞系譜解析を用いて、マウス気管内において、細胞系譜標識されたKrt13/Krt4陽性細胞とその周辺に細胞系譜標識された基底細胞を同定した。この結果は、1細胞トランスクリプトーム解析により予測した細胞動態のデータ及び細胞系譜解析のデータを合わせることで、高解像度に細胞系譜を実証したことを示唆している。以上より、本研究計画は、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、扁平上皮化生はClub細胞から誘導されたiB細胞によるものかを実証する。この目的を達成するために、遺伝子改変マウスを用いて、扁平上皮癌発生マウスモデルを試みる。まず、Club細胞からiB細胞を誘導する。その後、遺伝子改変マウスを用いて段階的に、扁平上皮化生、異形成、扁平上皮癌を発症させ、扁平上皮化生がiB細胞を起源細胞とするのかを評価する。
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