研究課題/領域番号 |
22K08263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 (2023) 岩手医科大学 (2022) |
研究代表者 |
前門戸 任 自治医科大学, 医学部, 教授 (40344676)
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研究分担者 |
田中 伸幸 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん先進治療開発研究部, 部長 (60280872)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | EGFR遺伝子変異 / 免疫チェックポイント阻害剤 / CMTM4 / CMTM6 / 非小細胞肺癌 / CMTM / エクソソーム / 治療耐性 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の登場によって非小細胞肺癌(NSCLC)の治療成績が飛躍的に改善しているが、奏効率は20%程度に留まる。一方、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療ではICI耐性が課題である。本研究では、4回膜貫通分子CMTM4およびCMTM6等がエクソソーム形成を通して治療抵抗性を誘導している」という仮説を立て、その検証を行うことで、治療抵抗性の解明を行い、同遺伝子を標的とした新たな治療モデルを構築する。
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研究実績の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の登場によって非小細胞肺癌(NSCLC)の治療成績が飛躍的に改善している。ニボルマブ等の投与により劇的な治療効果を示す 症例もあるが、奏効率は20%程度に留まる。一方、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤はNSCLCに対する優れた治療薬であるが、耐性が課題である。最近になって、4回 膜貫通分子CMTM6が免疫チェックポイントPD-L1の発現を制御することが明らかになった。申請者は肺癌由来エクソソームがCMTM7に制御される知見を得た。本研究では、「CMTM6およびCMTM7がエクソソーム形成を通して治療抵抗性を誘導している」という仮説を立て、その検証を行う。我々は肺癌細胞株のCMTMの発現を他癌腫細胞株を比較しながら評価した結果、肺癌細胞株ではCMTM6およびCMTM7で発現が高いことが分かった。その後の研究をCMTM6とCMTM7にフォーカスしていくことになった。 H1975肺癌細胞株とH1650肺癌細胞株にCMTM6およぶCMTM7をトランスフェクトする方法としてCMTM,EGFR、PD-L1の追跡を容易にするためNanoLuc 標識ベクターの作成して安定的にCMTMを発現できる細胞株を樹立した。それぞれのCMTMの働きをみるためにCMTMをノックダウンする系を作成中である。 エクソームの解析を一般的なエクソームマーカーを標識に分析したところCMTM6がエクソームに一般的なエクソームマーカー以上に搭載されていることを確認した。また、エクソソームに搭載されたPD-1分子の量をCMTM3,4,5,6,7,8それぞれのCMTMで検討した。CMTM3, CMTM4, CMTM8に高く、これらはPD-L1をExosomeに乗せる能力がある可能性がある。また、EGFRに関しても同様の研究を行いCMTM3, CMTM4, CMTM6が高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CMTMの免疫組織染色が微小検体で評価困難であり、標本を手術検体に切り替えたこととEGFR遺伝子変異肺癌であっても免疫チェックポイント阻害剤が効果があった貴重な症例の検体を収集するためにプロトコールを作り他施設の倫理委員会の承認をるのに時間がかかってしまった。 研究責任者の異動があり、それに伴い実験系を新たに立ち上げなければならないところがあり、研究施設、研究設備を整えることに時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
CMTMを肺がん細胞株にトランスフェクトはNanoLuc 標識ベクターで成功したので、その細胞株を使って様々な分子の発現状況を確認することができる。実際にPD-L1、EGFRがエクソームに搭載されることも確認した。それぞれのトランスフェクトされた細胞のCMTMをノックダウンもしくはノックアウトすることにより、どのような変化を確認できるか、準備中である。
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