研究課題/領域番号 |
22K08276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 憲文 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60436483)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺動脈性肺高血圧症 / 血管内皮障害 / 血管新生 / BMPR2遺伝子 / 特発性肺高血圧症 / 内皮機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)では、血管内皮成長因子の発現が増強しており肺動脈の内腔狭窄・閉塞などに関与すると考えられるが、内皮機能制御に関わる分子機序は明らかでない。最近、申請者らは組織透明化技術と多光子励起レーザー顕微鏡を用いてマウスの肺葉全層の微小構造(血管新生像など)を三次元で可視化する新システムを開発した。本課題ではヒトPAH疾患の遺伝子異常を反映したPHノックインマウスを新たに作成し、この現象を制御する分子機序について、独自の三次元病理解析やオミックス解析、シングルセル解析などを用いてPH肺内に混在する多様な内皮細胞の特性を明らかとし、新たなPH病態・治療法を提唱する。
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研究実績の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)では、血管内皮成長因子の発現が増強しており肺動脈の内腔狭窄・閉塞などに関与すると考えられるが、内皮機能制御に関わる分子機序は明らかでない。申請者らは組織透明化技術と多光子励起レーザー顕微鏡を用いて、マウスの肺葉全層の微小構造を三次元で可視化する新システムを開発し、低酸素性肺高血圧症において二次元の病理組織学的検討では検出困難であった血管新生様式を見出した。今年度は、遺伝子発現解析などの結果、この現象に重要な因子X(候補)を選出し、次にCRISPR-Cas9システムを用いてヒトPAHの原因遺伝子変異を導入したBmpr2ノックインマウス(Bmpr2-KI)を作成した。予備的検討では、血管内皮特異的に因子Xを欠損させたBmpr2-KIマウスは、通常大気下で高度の肺高血圧を発症し叢状病変に類似した病変像を伴っていた。このマウスについて、免疫組織学的検討や遺伝子発現解析などを行って表現型を解析するとともに、シングルセル/核マルチオミックス解析や三次元病理解析システムを用いて、PAHの新たな治療標的因子や進展過程に重要なシグナル伝達機構を同定したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子発現解析などの結果、低酸素性肺高血圧症で見出した血管新生に重要な因子X(候補)を選出した。次に、CRISPR-Cas9システムを用いてヒトPAHの原因遺伝子変異を導入したBmpr2ノックインマウスを作成し、この因子Xを血管内皮特異的に欠損させたマウスを作成したところ、通常大気下で高度の肺高血圧を発症し叢状病変に類似した病変像を伴っていた。
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今後の研究の推進方策 |
上記のPAHモデルマウスについて、免疫組織学的検討や遺伝子発現解析などを行って表現型を解析するとともに、シングルセル/核マルチオミックス解析や三次元病理解析システムを用いて、PAH発症・進展に関わる分子機序を時空間的にも明らかとする。特に代償期から非代償期(悪化)への起点となる分枝点を探索することで、PAHの新たな治療標的因子や進展過程に重要なシグナル伝達機構を同定したい。
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