研究課題/領域番号 |
22K08285
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
有木 茂 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (80464478)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 自然免疫 / コレクチン |
研究開始時の研究の概要 |
生体防御タンパク質の一つである肺コレクチンは、呼吸器表面における自然免疫において重要な役割を果たしている。感染微生物の排除過程における肺コレクチンの機能解析は、感染微生物との直接的な相互作用、免疫細胞表面の受容体との相互作用などの機能ばかりが注目されてきた。本研究では、感染微生物と共に免疫細胞に取り込まれた後の肺コレクチンの役割を解析することで、肺コレクチンの新規生理活性を探索する。
|
研究実績の概要 |
肺サーファクタントに含まれる生体防御タンパク質である肺コレクチンは、呼吸器の生体防御において重要な役割を果たしている。これまでの研究過程において、肺コレクチンの一つであるSP-Dが、これまでに報告されていない酵素活性を示す可能性を見出した。今年度はこの活性が夾雑タンパク質ではなくSP-Dそのものの活性であることを明確に示すための解析を行なった。また同時に、着目している活性の特性も解析した。 はじめに、使用しているSP-D試料にどの程度の夾雑タンパク質が含まれているのかを質量分析で確認した。数種類の夾雑タンパク質が含まれることが明らかになったが、本研究で注目している酵素活性を示すようなタンパク質は検出されなかった。ただし、量的に同定に至らなかった夾雑タンパク質が存在する可能性は否定できないため、さらなる解析が必要である。次に、イオン交換やゲルろ過クロマトグラフィーを用いたフラクションアッセイを試みた。クロマトグラフィー後に酵素活性が検出限度ちかくまで減少してしまい、明確な結果が得られなかったが、SP-Dを含む画分にもわずかな活性はみられた。本年度中に明確な結果が得られなかったため、次年度以降も解析を継続する。 一方、酵素活性の特性解析では、最適なpH条件、基質の特異性、より適した緩衝液の組成などを決定することができた。これらの情報を基に活性測定系を最適化できたので、次年度以降は解析をより速く進行できると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
クロマトグラフィー操作を経ることで着目している酵素活性が著しく減少してしまうという、当初予期していなかった結果となってしまい明確な結論が得られなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
やや遅れてはいるものの、研究計画は変更せずに今後も進めていく。 技術的な改良を加えながら今年度の解析を継続すると共に、阻害剤等を用いた別の実験系での解析も追加する。今年度、活性の性格付けは概ねできたので、これらの情報を基に使用できそうな阻害剤等を検討中である。
|