研究課題/領域番号 |
22K08290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
浜本 純子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40570239)
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研究分担者 |
安田 浩之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (70365261)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 小細胞肺癌 / オルガノイド / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
小細胞肺癌は患者由来の組織検体採取が困難であることからヒト由来の疾患モデルが限られ、分子異常(遺伝子変異やエピジェネティクス異常)の同定やその生物学的意義の検証が充分に進んでいない。小細胞肺癌の生物学理解を深め新規治療法を開発して患者予後を改善するには、同定された分子異常が小細胞肺癌発癌に与える影響を一つずつ解明する必要がある。 本研究では、これら独自の研究基盤を用いて同定した小細胞肺癌の分子異常について、遺伝子改変技術等を用いて小細胞肺癌発癌過程における意義を前向きに検証することで、小細胞肺癌発癌過程を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
【背景】近年、小細胞肺癌(SCLC)は転写因子発現に基づく4つのサブタイプ(ASCL1、NEUROD1、POU2F3、YAP1タイプ)に分類されることが知られるようになった。一方でこの分類の生物学的意義は未解明な部分が多く、分類に基づく新規治療標的開発は進んでいない。【目的】オルガノイド培養技術を用いてSCLCのサブタイプ分類に基づく統合解析を行い、生物学的な理解を深め、新規治療薬候補の知見を取得する。【方法】2018年7月以降当科で樹立したSCLCオルガノイドを用いてオミクス解析による分子学的特徴並びにniche(生存と増殖に必要な培養因子の最適化)解析、薬剤感受性試験などに基づく生物学的特徴を検討した。【結果】手術、気管支鏡、胸水、喀痰、採血(循環腫瘍細胞)など様々な臨床検体より33人の患者から計40例のSCLCオルガノイドを樹立し(樹立成功率34%)、病理学的特徴が元の臨床検体と同等であることや、SCLCに多く認められるTP53やRB1遺伝子異常の存在を確認した。また、RNA-seq、ATAC-seq及び免疫組織化学染色により樹立したオルガノイドが上述の4つのサブタイプに分類されることを確認した。さらに、niche解析の結果、POU2F3、YAP1タイプでは特徴的な増殖経路に依存していることや、薬剤感受性試験により特定の薬剤が治療薬候補になる可能性を見出した。【結語】患者由来肺癌オルガノイドを用いた分子学的・生物学的統合解析により、SCLCサブタイプ分類に基づいた治療戦略の可能性を示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度までは、27人の患者から計30例のSCLCオルガノイドを樹立していたが、2023年度もライブラリー拡張を順調に進めており、33人の患者から計40ラインのオルガノイドを樹立することに成功した。 新しく樹立したラインについても、WES, RNA-seq, ATAC-seqを含むomics解析を進めることにより、4つのサブタイプそれぞれのnを増やすことができた。
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今後の研究の推進方策 |
見出した治療薬候補、その候補と小細胞肺癌で既に臨床で使用されているシスプラチンなどを含む化学療法薬剤との併用効果についてxenograftを用いた実験を行う予定である。 また、得られた知見を英語原著論文として報告する準備を行う。
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